出版社内容情報
同居人が居なくても、「つながり」を感じることができる……1831人の高齢者への調査を行なった研究者が、お年寄りの心理を明かす。
【著者紹介】
東京健康長寿医療センター研究所研究員
内容説明
話が長くなるのは、一種の成熟!?歳を重ねると到達する幸福な境地とは。1,831人の大規模調査で見えてきた、高齢者の不思議な“こころ”の世界。
目次
第1章 「あれこれ考えないのよね」
第2章 高齢者心理学とは何か?
第3章 幸せな高齢者と「老年的超越」とは?
第4章 日本人の「老年的超越」の研究結果
第5章 長生きする人の性格とは?
第6章 高齢者の心理発達をふまえた高齢者との付き合い方
終章 「生涯現役」ともう一つの選択肢
著者等紹介
増井幸恵[マスイユキエ]
1964年愛知県生まれ。関西学院大学大学院文学研究科博士前期課程(心理学専攻)を修了後、東海女子大学(現・東海学院大学)の教員を経て、2008年東京都老人総合研究所(現・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所)に入所。現在、同研究所の研究員として活動中。専門は高齢者心理学。特に、高齢期、なかでも85歳以上の超高齢期の幸福感の研究を中心に行っている。2013年、日本最大規模となる「超高齢者の老年的超越」の調査により、博士号を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
酔拳2
24
タイトルに惹かれて読む。お年寄りの話が長いのは、若い頃に比べて衰えているので、抜け漏れなく、より正確に伝えるため、という誠実な理由でした。からの本書は老年的超越の話へ。老人はピンピンコロリが望ましいと思っていたけど、それは80歳代、90歳、100歳の超高齢者は健康的でなかろうが、人としょっちゅう会わなかろうが、今の状況を受け入れて幸せを感じられる心理が芽生えるそう。作者もそういう人と話すと、気持ちが落ち着き安らぐそう。なるほど。俺も年老いた親に頑張れ、というのではなく、そのままでいいよ、と伝えよう。2025/04/26
たまご
13
タイトルの理由は,そう多く書かれていません.も少し別なタイトルあったんでは?と思わないでも. centinarianの話は最近耳にするようになったなーと思いますが,その心理学,というか人生観に興味がもたれてるのですね.金さん銀さんを思い出します. ぜひ研究が進んで,「老年的超越」に至りやすい条件や生活方法,人生の過ごし方などわかってくると,みんなhappy? でもある意味こういう集団はだまされやすいかもしれないので,国の存続的には怖いのかも…2014/12/01
Humbaba
10
長期的なデータというのは簡単に手に入るものではない。また、そのようなデータは多くの条件によって影響を受けているのため、ある事象に対してどれが主となる変数なのかを読み取ることは難しい。変数同士も様々な関連が有り、更にはそもそも本当に大切な要素を見落としていて調査できていない可能性すらある。2014/12/19
おひさまリボン
9
両親が70代に入ってから体の衰えについてこぼすことが一気に増えた。こちらからすると60代と大きく違う気はしないので、どうしてそう頻繁に漏らすのか疑問だった。本書によると70代は人生で初めて「できない私」に直面し、老いていく自分をどうコントロールすればいいか悩むのだそうだ。そうした悩みの中で80代に入ってしまえば折り合いをつけることが出来るようになり「乗り越えるのではなく受け入れる」体制が出来上がっていくらしいのだが、それまでにはかなりの葛藤が。こちらも返す言葉は大切に選ぼうと考えるいい機会になった。2018/04/13
のり
8
高齢者というと衰えた元気のない姿を想像するかもしれないが、その心理状態は外見からは想像のつかないもので、日々を楽しく感じて幸せを感じていらっしゃる方がとても多い。記憶を一つひとつたどっていくことで、正確に話が思い出せるということもある。能力に合わせた最適な伝達方法を選んでいる可能性があると理解して、時間の許す限り、長くても話を聞くことが大切。2016/04/03
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