出版社内容情報
藩を二つに割る御家騒動に幕府の思惑もからみ、小栗美作は否応なく争いに巻き込まれていく。松本清張賞受賞作家、渾身の本格歴史小説。
【著者紹介】
作家
内容説明
江戸に幕府が開かれて50年近く―。越後高田藩主・松平光長のところへ、豊後へ流されていた弟や妹が戻ってきた。その妹を娶ったのが、後に筆頭家老になる小栗美作である。降り積もる雪、大地震、大火、継嗣争い、藩を二分する御家騒動、取り潰しの機会を窺う幕府など、次々と降りかかる難題に、美作はどう対峙していくのか。逃げず、媚びず、諦めず―。藩を守るための戦いを繰り広げた凛々しい男の物語。
著者等紹介
村木嵐[ムラキラン]
1967年、京都市生まれ。会社勤務を経て、1995年より、司馬遼太郎家の家事手伝いとなり、現在も、夫人である福田みどりさんの個人秘書を務める。2010年、『マルガリータ』で第17回松本清張賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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emico
9
越後騒動を取り上げた珍しい時代物です。小栗美作の人生が描かれており、ラストに向かうにつれ感動し、泣きそうになりました。藩のために奔走した美作も去る事ながら、美作の息子、大六もよく出来た息子で。。。この親子のやり取りには、涙が出そうになりました。こういうの弱いなぁー。でも、思つてた以上に素敵な作品でした。読んで良かった!2014/07/01
mushoku2006
8
やっぱりこの方の作品は私には合わないなあ・・・・・・。 淡々とした筆致はともかく、 話が妙に飛ぶし、詳細が抜けていて、 どのような出来事が起きたのか?わかったようでわからない。 越後高田藩の家督相続と相似形の問題が同時に将軍家にあった、 というのは興味深い話だったんですけど、 やっぱりそれだけ、でした。2014/08/26
いつでも母さん
4
初めての作家さんの作品でした。表紙に導かれ手にした次第・・なかなかの読み応えあり!美作はタイプじゃ無いが(笑)結果美作に同化した自分がいた。 時代物って、作家の筆一つで幾らでもが世界観が拡がると改めて認識。下町の人情モノや捕物帖もしきですが、こういうのも嫌いじゃないです。2014/06/11
ぽけっとももんが
3
日本史は苦手なのです。高校は世界史だったし。 だから徳川家の名前があれこれ出てきてもよくわからない。ましてや越後のお家騒動においてをや。 ところどころ落ちかけつつ、それでも読み続けた。 そして、最後に思いがけず湧いてきた涙に、自分でも驚いた。 わたしも彼らに感情移入していた。 静かな美作はもちろん、大六の健気さにも、お閑さまや浅茅、真砂たち女性の強さにも。 2014/02/10
Tadasu Nunotani
2
いわゆる越後騒動を取上げた珍しい作品であり 数組の肉親の情についての描写が同時に進行する。 歴史にあまり知識ない方にも読めると思います。2014/01/11




