ＰＨＰサイエンス・ワールド新書 「金縛り」の謎を解く―夢魔・幽体離脱・宇宙人による誘拐

福田 一彦【著】

ＰＨＰ研究所（2014/02発売）

• サイズ 新書判／ページ数 176p／高さ 18cm
• 商品コード 9784569812939
• NDC分類 498.36
• Cコード C0211

出版社内容情報

睡眠時、人が上に乗っているように感じるが、体が動かない現象。心霊現象として語られることが多いが、科学的に解明を目指す。

【著者紹介】
江戸川大学社会学部心理学科教授

内容説明

だれかが上に乗っているように感じ、耳元で何かをささやかれ、体を触られているのに体が動かない、逃げられない…金縛りとは、睡眠時の麻痺体験である。世界の各地でその体験談が様々な文脈で説明され、幽霊や悪魔、心霊現象のひとつとして語られることが多い。睡眠研究者である著者は、この現象がどうして起きるか、「科学的な」解明に挑む。このミステリーの謎解きから見えてきた夢と眠りの秘密の世界へ読者を導く。

目次

序章　「金縛り」は心霊現象か？
第１章　金縛りの科学
第２章　金縛りの疫学
第３章　金縛りの民俗学
第４章　金縛りをさらに科学する
第５章　夢は怖いか楽しいか
第６章　いい「睡眠」、わるい「睡眠」

著者等紹介

福田一彦［フクダカズヒコ］
１９５８年千葉県柏市生まれ。早稲田大学心理学博士課程満期退学。医学博士。福島大学教育学部講師・助教授・教授などを経て、江戸川大学社会学部人間心理学科教授・学科長。精神生理学、時間生物学を専門とし、金縛り（睡眠麻痺）体験の生理心理学的研究や国際比較研究などを行う。ほかには、眠りの発達、特に乳幼児期における睡眠覚醒リズムの発達について（乳児の昼寝の消失）も研究している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[５ よういち]

金縛りについて科学的側面から徹底検証した一冊。◆私は思春期頃から金縛りに遭っていた。とても怖い体験であったが、何度も遭うので、そのうち金縛りに遭うときの条件みたいなものを整理するようになった。辿り着いたのは、"身体は寝ているけど、脳が起きている状態"のときに遭うのだという結論に至った。それをちゃんとした言葉で論じることは私にはできなかったが、この本で全て解決した。◆まあ、でも、正体が分かったからといって、金縛りに遭ったときに感じる恐怖の感覚が消えるわけではないのだが...　面白かった。

2020/04/16

[チャーリブ]

「金縛り」という言葉を知らない日本人は少ないのではないだろうか。もちろん、夜中に目が覚めたときに身体が動かない、さらには幽霊のようなものを見るという例の恐怖の体験である。本書はその現象を科学的に分析したもので、金縛りは専門的には「睡眠麻痺」や「入眠時幻覚」と呼ばれるれっきとした（？）自然現象で、入眠時レム睡眠という夢の一種だという。このネーミングのようなおどろおどろしい心霊体験の類ではない。要は、睡眠の不具合から発生する自然現象で、睡眠方法を改善すれば自然と消えていくもの。不安な人はぜひ一読を。○

2021/09/06

[hydrangea]

色々と科学的検証の記述があり興味深く読みました。結論としては、私は睡眠時間をもっときちんとしたほうが良いということと、とりあえず宇宙人に誘拐されたことは無いらしい、ということですねｗｗｗ

2014/05/31

[夜]

金縛り時は覚醒から直接レム睡眠に入る「入眠時レム睡眠」。それだけではなく脳は覚醒状態にかなり近い。金縛りのときに体が動かないのは、レム睡眠の神経機構によって脊髄の運動ニューロンが抑制されているせい。このとき見えたり聞こえたりする現象は夢と同じだが、脳が覚醒に近い状態のためリアルに感じる。恐怖を感じるのは、レム睡眠中に起こる扁桃体（恐怖や不安に関連）の自動興奮によって説明が可能。

2014/04/17

[武夫原]

受験生から大学１年くらいまでの間に、何度も金縛り体験にあったので、興味を持って読みました。自分が金縛りにあったとき、大声を出そうとしても声が出ず、全身が震えてどんなに力を入れても体が動きませんでした。このような体験は夢と言うことで説明できるそうです。この本はその部分は興味を引かれましたが、それ以外は興味を引くものはなかったかな～。

2015/11/10