出版社内容情報
道教のもととなり、禅の思想や西洋哲学にも多大な影響を与えた『荘子』。無為自然を説く難解な教えをわかりやすく解説する。
内容説明
疲れた現代人に贈る理想の生き方とは。禅に影響を与えた「老荘思想」を読む。
目次
序章 本当の生き方を得るために
内篇
外篇
雑篇
終章 目指すは良寛の生き方
著者等紹介
岬龍一郎[ミサキリュウイチロウ]
1946年生まれ。作家・評論家。早稲田大学を経て、情報会社・出版社の役員を歴任。退職後、著述業のかたわら、人材育成のために「人間経営塾」を主宰。国家公務員・地方公務員幹部研修、大手企業研修などの講師を務め、「人の上に立つ者の人間学」を説いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
百栗豆茶
2
再読。孔子は正攻法、老子は逆説的、そして、荘子は勝手にさせておけと言う。白楽天曰く、「かたつむりの角の上のようなちっぽけな人間社会において、いったい何を争っているのか。人生は火打ち石を打ってチカッと光るような短い時間の中にある。ならば富める者は富めるなりに、貧しい者は貧しいなりに、それぞれの楽しみと喜びがあるではないか。楽しい時には楽しいと笑わない者は、愚か者だよ」と。掴みどころのない荘子をわかりやすく説く、良書だと思います。2023/04/18
SIGERU
2
荘子は、老子とともに道教(タオ)思想を代表する文人。その書「荘子」は、紀元前300年頃に纏められたもので、「胡蝶の夢」が最も人口に膾炙している。しかし、「朝三暮四」「蟷螂の斧」「無用の用」「明鏡止水」「井の中の蛙」「蝸牛角上の争い」。お気に入りだったこれらの故事成語が、すべて荘子由来だった事を今更ながら知り、驚倒させられた。「西欧文化の精髄は、古代ギリシア・ローマ人が全て成し遂げてしまった」と云われるが、東洋文化の精髄は、古代中国や古代メソポタミアがすべて成し遂げてしまったのではないだろうか。2017/09/18
gotomegu
2
NHKの「100分で名著」で荘子について興味がわいたところ、書店で見かけたので読んでみた。荘子は井の中の蛙や明鏡止水など、故事のもとになったこともたくさんあることを知った。現代語訳のあと、訳者のコメントが載っているのだけれど、原発事故とか、そういった最近の事故事件についての意見も入っていたりして、ちょっとそれが煩わしく感じた。あとがき(?)で良寛について書かれていて、なぜ荘子の本でこのまとめなの?と思った。2016/05/31
コウヤ
1
12.11〜142023/12/14
epitaph3
1
著者の荘子ベストアルバム。読みやすい訳に、長めの解説。解説が知識を増やしてくれた。孔子批判のところは論語で有名すぎてか、イマイチ慣れないなあ。だけど、荘子の姿勢は、憧れを抱く。おもしろいなあ。2013/03/06