出版社内容情報
時代も場所もバラバラな世界を「箱庭」に見立てて、短編の妙手である直木賞作家が紡いだ、笑いあり、涙ありの少し不思議な連作小説集。
【著者紹介】
作家
内容説明
ずっと、とっておきたい物語がある―『かたみ歌』の直木賞作家が紡ぐ、懐かしくて温かい連作短篇集。
著者等紹介
朱川湊人[シュカワミナト]
1963年、大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部卒。出版社勤務を経て、2002年、「フクロウ男」で第41回オール讀物推理小説新人賞を受賞。翌03年、「白い部屋で月の歌を」で第10回日本ホラー小説大賞短篇賞を受賞。初の著書となった『都市伝説セピア』が第130回直木賞候補となり、05年、『花まんま』で第133回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫綺
133
箱庭王子(?)の、とても摩訶不思議な旅日記風の短編集。星新一のショートショートを思わせる。「さきのぞきそば」が食べたい!!(笑)2015/01/25
ちはや@灯れ松明の火
131
どんな壁も飛び越えて、どんな世界も旅をしていける。君と一緒ならば。少年の道連れは白い馬、退屈と悲しみで造られた箱庭から、空に架かる橋を渡って新たな箱庭へ。雨と共に現れる幼い幽霊、心の闇へ忍び込むカラス、黄昏の空にさよならを告げるラッパ、夕凪に消えていく愛しい温もり。いつかは必ず終わる物語、いくつもの別れの景色を見つめてきた。あの人の涙が私の傷痕に重なる。歩き疲れても、空しさを覚えても、やがて痛みは癒えていくと解っているから、果てのない旅を続けていける。隣に寄り添う君の寂しさが、私の心の隙間を満たしていく。2012/07/14
文庫フリーク@灯れ松明の火
129
セラピストから受けた箱庭療法。木の模型や人形を自由に置かせて子供に自由な物語を作らせる。「旅に出ないか」箱庭使った空想ごっこがお気に入りの、八歳の子供の前に現れたのは言葉を話す白い馬。その背中に乗って子供は箱庭から世界を見に飛び立つ。連載に枚数制限有ったのでしょうか。この本に収録された世にも奇妙な物語は16作品。平均すると1作品わずか18ページ!朱川さんらしさを最も感じたのは「黄昏ラッパ」できれば中編の長さで読みたかった。各タイトルの付け方が絶妙。「暗闇カラス丸」「一冊図書館」「さきのぞきそば」→続く2012/10/28
Aya Murakami
114
夢幻花の裏に紹介されていて図書館で借りてきた本 一冊図書館…そういう終わり方で来たか!なラストでした。そうです、選ばれるのはいつも俺ではなく俺が見下していた奴らなのです。自己嫌悪にみちた現代では共感を呼ぶこと間違いなしの1篇になりそうです。 本が読まれたがっているというのはなんとなく別サイトでデータと霊はいずれも人間に認識されないと意味をなさないというコメントが帰ってきたのを思い出させました。ぶっ飛んだデータはぶっ飛んだ人間でないと認識されないのですね。2021/03/14
kishikan
109
大好きな作家の一人、朱川さんの新刊ということで早速手にしました(3か月ほど寝かせちゃったなぁ)。トータル285頁に16の超短編集。「文蔵」の連載モノなのでしょうがないか。もう少しボリュウムが欲しかった。表題の「箱庭旅団」については、ラストの「月の砂漠」を読んでから、最初の「旅に出ないか」を思い返すとタイトルの意味の深さを味わうことができます。僕の評価としては、これまでの朱川さん作品の中では低い方かな。でも「クリスマスの犬」と「黄昏ラッパ」は朱川さんらしく、いつまでも心に残りますし、特に後者はグッときます。2012/09/12
-
- 和書
- スター生物学 (第6版)