出版社内容情報
お願い、助けて。亡くなった友の絞り出すような声を聞き、胸騒ぎを感じたおいちは……。人気の青春「時代」ミステリーシリーズ第二弾。
【著者紹介】
作家
内容説明
お願い、助けて…散りゆく桜の下で、亡くなったはずの友が囁いた。江戸の菖蒲長屋を舞台に描く青春「時代」ミステリー第2弾。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年、岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。岡山県で小学校に臨時教師として勤務の後に結婚し、3児の母となる。1991年、『ほたる館物語』で作家デビュー。1997年、『バッテリー』で第35回野間児童文芸賞、1999年、『バッテリーII』で第39回日本児童文学者協会賞、2005年、『バッテリーI~VI』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『バッテリー』は映画化、テレビドラマ化され、ミリオンセラーとなる。2011年、『たまゆら』で第18回島清恋愛文学賞を受賞。2006年、初の時代小説『弥勒の月』を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
87
くるくるくるくると、桜が舞う。心の形をした花びらが、一杯一杯に降り注いで。何も見えなくなる程に。一体何の心が散る。若くして亡くなった、幼なじみへの悲哀の心か。同じ仁の道志す、青年への淡い想いか。少女として許された時間を何をそんなに急ぐのか。娘の命を散らしながら、おいちは駆ける。雨風に悪戯に散らされるのではなく、桜花は自らの散るべき時を見定めてから散る。美しい着物も、足を包む紅い鼻緒もいらない。散った花びらがあるから。それは新しい道しるべ。やわらかに、嫋に、そして何より凛として。生きてゆく、私は私の物語を。2013/12/15
itica
69
シリーズ2、おいち17歳。親友の悲しい死。そこに関わる人物について最終的には分かるのだが、行き着くまでがまどろっこしい感じ。とは言え、おいちの知らない父の過去や、おいちの出自の秘密など、前作での疑問が明かされる。伯母のおうた、凄腕岡っ引きの仙五郎、おいちに好意を寄せる新吉など脇を固める面々も味があり、今後が楽しみだ。 2025/07/01
kei302
59
シリーズ2作目で、早くも、おいちの出生の秘密が判明。新吉にライバルか! と思いきや・・。おうたさんの身体が心配です。2021/06/04
パフちゃん@かのん変更
51
ガールズ・ストーリー第二弾。おいちの出生の秘密が明らかになった。でも、父や伯母との情に変わりはない。おいちの見えないものを見、聞こえないものを聞く力はどこから来たものは不明だが、不思議話は好きだ。このシリーズ全部読みたい。2018/10/03
ぶんこ
51
久々に時代物、あさのさんを読んで堪能しました。 勧善懲悪、すんでのところで善き人達が助かるのは、定番とはいえ、やっぱり読んでいて気持ちが良いです。 ホッとしました。 おふねさんが、最後まで貝弦の悪の正体を知らずに逝ったのが救いと思わなくては、やりきれません。2015/01/03