出版社内容情報
日本陸軍で高級将校だけに閲覧を許された軍事機密<統帥綱領>。戦後は、経営書としても名高い“作戦指導のバイブル”を現代に紐解く
【著者紹介】
軍事評論家、作家
内容説明
日本陸軍で将官や参謀など、限られた高級将校だけに閲覧を許された軍事機密“統帥綱領”。軍(司令官)以上の戦略・指揮の要諦を説いたこの門外不出の作戦指導書に則り、日中戦争や太平洋戦争は戦われたと言っても過言ではない。本書は、日本陸軍を動かした“統帥綱領”のエッセンスを現代人向けに解説。「総力戦―速やかに戦争目的を貫徹すべし」「政略と戦略の微妙な関係」「準縄の明示と独断専行の余地を与える」など、戦後は兵書のみならず経営哲学書としても名高い“日本陸軍のバイブル”が今に甦る。
目次
第1 統帥の要義
第2 将帥
第3 作戦軍の編組
第4 作戦指導の要領
第5 集中
第6 会戦
第7 特異の作戦
第8 陸海軍協同作戦
第9 連合軍の作戦
著者等紹介
柘植久慶[ツゲヒサヨシ]
作家、軍事ジャーナリスト。1942年、愛知県生まれ。1965年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。在学中より、コンゴ動乱やアルジェリア戦争に参加。1970年代初頭よりアメリカ特殊部隊に加わり、ラオス内戦に従軍する。1986年より作家活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
32
日本陸軍を指揮する立場、会社でいうと管理職のような人に配られたマニュアルのことを統帥綱領といい、戦場でのあらゆる事態を想定したり、自分の部下をどのように扱うのかということが書かれているが今の会社でもあてはめられる事例が多いような気がした。内容も当時も国際条約で禁止された毒ガスをもし敵国が使った場合の除染作業の指導の仕方まで書かれているし至極まともなことが書かれていた。しかし本書は一々各項目ごとにポイントを用意し主にビジネスシーンではこんなことに応用可能ですよ的なことはちょっと蛇足な感があった。2011/09/08
閑居
10
ビジネスで使えそうな普遍的なとこだけざっと読了。米海軍士官候補生教本と比すると、簡潔なるもやや内容に乏しく、教条的すぎるきらいがある。また、そのまま普遍的に使える内容に乏しく、具体的な軍事的場面を想定しすぎているように感ずる。2019/05/05
やってんだかっ
2
トップは、ゼネラリストであること(広範にわたる知識と展開の予測力)、その態度に留意しこと難局に当たり泰然動かず沈着機に処すること、など「将帥」の項は今に通じると思いました。2011/09/10
たぬき
1
他人の解釈を読むものではないかなと2011/10/07
としあき
0
「軍隊の大将とは何を考えているのか?」というのを下っ端の分際で知りたくなり、斜め読み。深いところまでは理解出来なかったが、要するに、大局をみて、相手を知り地形を知り自分を知り、いかに有利に迅速に戦うかってことですね。すこーしだけ、トップの考えはわかりました。 強引にビジネスに持ってこようとすることろに、本としての無理はあったかも。2014/06/08