内容説明
昭和三年六月四日早朝、満州を支配していた奉天派の大元帥・張作霖は、北京から奉天への帰路途上、乗車していた列車が爆破炎上して暗殺された。満州事変のきっかけとなったこの事件は、戦後、本人の自白をもとに関東軍の高級参謀河本大作による犯行との説が定着していたが、近年この定説が覆されようとしている。証拠、証言が多数あった河本犯行説は、なぜ破綻したのか。暗躍するソ連特務機関の影。長男・張学良周辺の不穏な動き。発掘された新資料―真犯人はいったい誰なのか?昭和史の大きな謎に迫る。
目次
第1章 「河本大作首謀説」をめぐって(爆殺計画;現場検証;昭和天皇と田中義一首相)
第2章 「コミンテルン説」「張学良説」の根拠(クレムリンの極秘ファイル;張学良の謀略―爆薬は列車の天井に)
第3章 謎の解明―「河本首謀説」の絶対矛盾(関東軍爆破の疑問;昭和史の闇に決着)
著者等紹介
加藤康男[カトウヤスオ]
1941年東京生まれ。編集者、近現代史研究家。早稲田大学政治経済学部中退。集英社に入社し『週刊プレイボーイ』創刊から編集に携わる。その後『日本版PLAYBOY』編集部、集英社文庫編集長、文芸誌『すばる』編集長、出版部長などを歴任したのちに退社。恒文社専務取締役として出版活動に従事、2004年退任。以後編集者、作家として主に近現代史をテーマに執筆活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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