PHP新書<br> 謎解き「張作霖爆殺事件」

電子版価格
¥679
  • 電書あり

PHP新書
謎解き「張作霖爆殺事件」

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 252p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569796697
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0220

内容説明

昭和三年六月四日早朝、満州を支配していた奉天派の大元帥・張作霖は、北京から奉天への帰路途上、乗車していた列車が爆破炎上して暗殺された。満州事変のきっかけとなったこの事件は、戦後、本人の自白をもとに関東軍の高級参謀河本大作による犯行との説が定着していたが、近年この定説が覆されようとしている。証拠、証言が多数あった河本犯行説は、なぜ破綻したのか。暗躍するソ連特務機関の影。長男・張学良周辺の不穏な動き。発掘された新資料―真犯人はいったい誰なのか?昭和史の大きな謎に迫る。

目次

第1章 「河本大作首謀説」をめぐって(爆殺計画;現場検証;昭和天皇と田中義一首相)
第2章 「コミンテルン説」「張学良説」の根拠(クレムリンの極秘ファイル;張学良の謀略―爆薬は列車の天井に)
第3章 謎の解明―「河本首謀説」の絶対矛盾(関東軍爆破の疑問;昭和史の闇に決着)

著者等紹介

加藤康男[カトウヤスオ]
1941年東京生まれ。編集者、近現代史研究家。早稲田大学政治経済学部中退。集英社に入社し『週刊プレイボーイ』創刊から編集に携わる。その後『日本版PLAYBOY』編集部、集英社文庫編集長、文芸誌『すばる』編集長、出版部長などを歴任したのちに退社。恒文社専務取締役として出版活動に従事、2004年退任。以後編集者、作家として主に近現代史をテーマに執筆活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

めっかち

7
 河本大作主犯説を全否定はできないが、「通説」以外の視座を提供してくれた。それは、当時から「爆破は列車内」と指摘されてたことや、ソ連側資料などからも納得である。ただ、河本大作主犯説も、私の中では捨てきれない。何より、彼自身が強く主犯と思い込んでいたように見える。今後の研究の進捗に期待したい。2020/07/03

はちこう

6
「中原の虹」に登場する張作霖があまりにもカッコ良すぎて、その実像に迫る本を探す中、本書を発見する。関東軍(主犯は河本大作)によって張作霖が暗殺されたとする通説を覆す、中々衝撃的な内容の本だった。この爆殺事件の1年前に、張学良が国民党に極秘入党していたことや、奉天軍の参謀長である楊宇霆を処刑したことなどからも、学良が暗殺の黒幕だった可能性は否定できないと感じた。はたして今後の研究で事件の解明が進むのか否か。蒼穹の昴シリーズを読み進める上でも、参考になる本だった。2022/05/23

マシンガン

4
浅田次郎『マンチュリアン・リポート』からの流れで本書購読。帯の「渡部昇一絶賛、中西輝政絶賛」の文言がまず興味を惹く。この事件は関東軍の犯行として歴史の授業でも習ってきたが、その定説に疑問を投げかけている。 関東軍河野大佐首謀説は冒頭で丁寧に復習し、次にソ連首謀説!、そしてなんと張作霖の息子の張学良関与説!!を唱えて読者を釘付け。最後に河野説の矛盾点も挙げ、自説の信ぴょう性を高め読者納得。ミステリーとしても楽しめる一冊だ。是非更なる研究の成果を期待したい。2015/06/16

はちめ

2
この本自体は妄想に基づいて書かれているが、河本大作の背後に謎があるのは間違いない。個人的な妄想としては満鉄当たりから資金とアイデアが調達されたのではないかと思っている。2013/03/10

すみちゃん

2
浅田次郎の「中原の虹」で張作霖に魅せられて、昨年、中国の瀋陽(旧日本名・奉天)に行き、張作霖の足跡を辿ってきた。その張作霖爆殺の謎解きというタイトルに惹かれて読んでみた。日本の関東軍の謀略という定説を覆す、ソ連陰謀説、息子の張学良関与説など、その真相を解き明かしていく過程がスパイ小説さながらで面白かった。やはり張作霖はミステリで魅力的な男だ。ちなみに、瀋陽は中国語簡体字では「沈む太陽」と書く。日本統治時代の名前は奉天、つまり「天を奉る」の意味か。対極のネーミングで興味深い。2011/11/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/3132494
  • ご注意事項