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「うま味」を発見した男―小説・池田菊苗

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  • サイズ B6判/ページ数 341p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569795997
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

世界で初めて「うま味」を発見し「味の素」誕生の祖となった科学者・池田菊苗。夏目漱石との友情等、波乱の生涯を描く力作評伝小説。

内容説明

旧薩摩藩士の家に生まれた池田菊苗は、化学の道を志し、ロンドンへと留学する。そこで若き日の夏目漱石と出会い、刺激し合うことによって、二人はお互いの進むべき道を強く踏み出していく。日本人の栄養状態を改善し、食事を豊かにしたいという願いに挑み続けた菊苗は、ついに甘・辛・酸・苦とは別の、「うま味」という味覚が存在することを発見。妻とともに幾多の苦難を乗り越えて、その結晶化に成功するのだが…。「味の素」が生まれるきっかけをつくった化学者の波瀾万丈の生涯を描く、感動の評伝小説。

著者等紹介

上山明博[ウエヤマアキヒロ]
1955年10月8日、岐阜県生まれ。作家(日本文藝家協会・日本科学史学会正会員)。1999年特許庁産業財産権教育用副読本策定普及委員会委員、2004年同委員会オブザーバーなどを務めるかたわら、文学と科学の融合をめざし、徹底した文献収集と関係者への取材にもとづく執筆活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もえたく

8
世界で初めて新たな味覚「うま味」を発見し、「味の素」のきっかけになった化学者池田菊苗の評伝小説。『炭素文明論』で佐藤健太郎氏が、日本の十大発明の一つのうま味調味料発明者なのに評価が低いと言われているの納得。凄い人じゃないですか。化学者なのに商売人に手を貸したのが良くなかったらしいですが。夏目漱石とロンドンで一緒に暮らしたこともあり、漱石からの評価も高かったそうなのに。2015/05/14

シュラフ

3
うま味成分はグルタミン酸ナトリウムであることを発見した池田菊苗の物語。池田菊苗はドイツ留学中に西洋人に比べて日本人の体格の貧弱さに問題意識を持ち、手軽にうまい料理をつくりねことで日本人の栄養状態の改善に貢献しようと考えたという。池田菊苗は4味(甘い・塩辛い・酸っぱい・苦い)でない、"うまい"に着目。昆布のだし汁からうまみ成分の抽出に成功。これに着目したのが鈴木製薬所(現 味の基)の鈴木三郎助。現代、中華の素を買ってくれば家庭でも簡単に中華料理がつくれるになった。池田菊苗と味の素の功績である。2012/08/17

うめけろ

3
凄い人がいたんですねぇ。留学したり、環境的に恵まれているとは思いますが、結局は親の借金も完済。新たな視点から「うま味」を抽出することに成功して、さらには生産技術にまで発展させたことも素晴らしい。アシストをしてくれる幅広い交流があってこそですが。夏目漱石とドイツで同じ部屋に住んだなんてのも、小説みたいで面白かったです。2011/09/21

Mayumi Arai

2
面白い‼ ぐいぐい読める本。2012/10/16

wsurfer

2
池田菊苗は昆布からうまみ物質を抽出しただけでも、えらいのに、それを小麦粉から安価に大量に作ろうとしたところなどが本当に偉いところである。 大きな成果は信念から生れるということではなかろうか?菊苗はイギリス時代の夏目漱石などとも交流を持った。味の素の特許料が入ってからは、研究三昧の生活も送った。本当に幸せな人間である。 うらやましい限りである。2011/08/28

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