出版社内容情報
『最近、八吹写真館に入りびたってる八吹錯っていうやつが、動画とか画像の加工が得意で、頼めばなんでも作ってくれるらしい。それで今、このあたりの学校の子が、次々と頼みに行っているらしくて、だから最近、八吹写真館は嘘つき写真館って呼ばれてるらしい』
小野寺理子。野瀬小学校、6年1組、学級委員。
クラスのSNSで出回ったデマから風紀を正そうと、理子は「フェイク職人」である錯の元を訪れる。ところが、錯は、フェイク画像にふっ、と息を吹きかけてみせると……。
ネットの存在により高まる嘘の拡散力。なにが本当でなにが嘘か。それは、真偽を見抜く瞬発力より、自分がなにを信じ、守りたいのかという判断力――いま、この時代を生きる子ども達に考えるきっかけをあたえる1冊。
【目次】
プロローグ
1 嘘つきの嘘吹き
2 炎上クラスルーム
3 水川大喜利
4 妖精の正体
5 カワウソの懐中電灯
エピローグ 『嘘百科』あとがき
内容説明
最近、八吹写真館に入りびたってる八吹錯っていうやつが、動画とか画像の加工が得意で、頼めばなんでも作ってくれるらしい。それで今、このあたりの学校の子が、次々と頼みに行っているらしくて、だから最近、八吹写真館は嘘つき写真館って呼ばれてるらしい。
著者等紹介
久米絵美里[クメエミリ]
1987年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。『言葉屋』で第5回朝日学生新聞社児童文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
85
YA。野瀬小学校6年1組小野寺理子(りこ)は嘘が許せない。SNSで拡散された「野瀬小学校ではカワウソを飼っています」という嘘投稿が炎上し、クラスは嘘と疑心暗鬼で険悪な雰囲気だった。理子はネット上でフェイクニュースを作成しているという少年に会いに行く。錯(さく)は「嘘でみんなを幸せにする」と言い、嘘を拡散することをやめない。しかも、嘘を見抜く特殊な能力を持っていた。▽ネットとの付き合い方や友達関係についてなど、現実にありそうな例え話。知っておいて損は無い情報多し。文章量が多めで、読書慣れした児童生徒向け。2021/05/30
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
21
6年生の理子と錯(さく)を通して情報リテラシーについて書かれている。理子は学級委員長らしく?嘘はいけない、正しいことを正しいという、一見正義の味方。対して錯は、嘘をつかない人間はいないといい、人には言えない能力を持っている。どちらが正しいというのは、読んだ人のとらえ方だけれども、出来ることなら共有してディスカッションしてほしいと思いました。6年生がSNSでグループを持っているということは、全員がスマホを持っていることですよね。その前提でのはなし、田舎は中学生でも全員は持ってないです。そこから考えちゃう…。2021/05/15
うー
21
『自分の趣味や生き方に合わない人は最初から繋がらないし後からブロックできる。毎日自分に都合の良い情報だけを受け取りそのことに気付かずそれが世界の全てだと思い込んでいる』世の中に充満する嘘を正面から無くそうとする理子と、嘘を発信し正しさを見抜ける力が必要だという錯。便利なSNSの怖さがよくわかる。でもこのクラス(6-1)の殺伐とした様子が何だか一番怖かった。2021/01/31
ぷりん
19
SNSについて、すごく考えさせられる本。「情報を人だと思って生きたい」とても大切な言葉だと思いました。多くの情報で右往左往する今日。情報の奥にあるもの、情報の先にあるものを考えて、発信していきたいと思います。『情報』という言葉を『言葉』に置き換えて、考えてもよいと思いました。2023/01/15
もえ
14
小学高学年向けおすすめ本候補。SNSとの付き合い方は、大人でも難しいことがあるが、今の子どもたちは生まれた時から世界中の情報にさらされ、学校内のイジメの温床にもなったりする。正義感の強い小学6年生の小野寺理子と、紙やスマホに息を吹きかけると嘘か本当か見分ける能力を持つ少年八吹錯。理子のクラスのグループトークをめぐって炎上する度に、理子と錯が舌戦を交える様が面白く、SNSとの付き合い方を考えるきっかけにもなる。終盤に物語冒頭の炎上の秘密が明かされ、全ての伏線が回収されていく。特に校長先生が素敵すぎる!2023/05/17
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