出版社内容情報
歌に込められた想いを感じてみよう!
恋の歌、四季を感じる歌、嘆きの歌など、百人百様の思いが込められた百人一首。歌の意味とその背景、歌人についてわかりやすく解説。
「秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ」。これは、農民のつらさを思いやってよんだ天智天皇の歌。持統天皇は初夏のさわやかさをよんだ歌、和泉式部や西行法師はつらい恋の歌、紫式部は友人との別れを惜しむ歌……。古来の代表的な歌人百人の優れた歌が一人一首ずつ選ばれている『百人一首』には、このようにさまざまな歌がおさめられており、当時の状況や昔の人たちの思いが伝わってきます。
▼本書は、百首の和歌とその意味を現代のことばでわかりやすく説明しています。また「まめちしき」では、和歌に使われていることばの意味や和歌の味わい方、作者や当時の時代背景についても解説。和歌のきまりから「掛詞」「枕詞」などの技法や、「源平合戦」「散らし取り」など、かるたの遊び方も紹介しています。
▼かるた遊びとしての百人一首をもっと楽しんだり、日本語の美しさ、昔の人のものの見方や感じ方を学んだりするのに役立つ一冊です。
●はじめに
●この本の使い方
●『百人一首』について知ろう
●和歌しょうかい(1)~(100)
●知ってなっとく『百人一首』のひみつ(その一~その五)
●上の句さくいん
●作者名さくいん
内容説明
日本の古典文学に興味がわき、表現力がアップする。和歌の意味や和歌の背景を、わかりやすく解説。親しみやすい口語訳とイラストで、和歌の世界へ招待。知っておくと得する古典の知識も掲載。
目次
秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ(天智天皇)
春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山(持統天皇)
あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む(柿本人麻呂)
田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ(山部赤人)
奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の声きく時ぞ秋は悲しき(猿丸大夫)
かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞふけにける(中納言家持)
天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも(阿倍仲麿)
わが庵は都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり(喜撰法師)
花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに(小野小町)
これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関(蝉丸)〔ほか〕
著者等紹介
村田正博[ムラタマサヒロ]
1951年生まれ。筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科単位取得退学。現在、大阪市立大学大学院文学研究科教授。専門は日本文学、古代文学、和歌、萬葉集、漢詩文(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。