出版社内容情報
建築家や作家は、どんな未来を描いてきたのか。
建築家やSF作家たちが描く未来都市は、どのような変遷を遂げてきたのか。それぞれの時代が持った問題意識・空気・想像力を読み解く。
上海万博が開幕した。中国が威信をかけた、「より良い都市、より良い生活」がテーマの万博である。
▼しかし、そこに展示された未来都市像は、どこかで見たことがある。かつて少年向け雑誌のイラストや漫画に描かれた超高層ビル群、エアカー、空中都市……。1970年の大阪万博から40年、未来都市はたいして変わっていない。
▼「未来」はノスタルジーになったのか?
▼一方で、現実の上海やドバイの街は、あのころ夢見た未来都市のようだ。
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▼本書では、建築家による未来都市について五十嵐が、フィクションにおける未来都市について磯が執筆。ひとつのテーマを、リアルとフィクションの両面から考察する。
▼大阪万博へと至る1950~60年代の未来都市への関心の盛り上がり、東京をめぐる未来都市のヴィジョン、ルネサンス期から近代・現代へと至るユートピア、コンピュータの発達による未来都市像の変貌、そして、大阪万博と対照的な形で、愛知万博について論じる。
●はじめに ……磯 達雄
●第1章 大阪万博と1960年代 ……五十嵐太郎
●第2章 未来のふたつの顔 ……磯 達雄
●第3章 東京をめぐる想像力 ……五十嵐太郎
●第4章 未来都市としての東京 ……磯 達雄
●第5章 近代ユートピアの系譜 ……五十嵐太郎
●第6章 ユートピアから科学へ ……磯 達雄
●第7章 アジアとコンピュータ ……五十嵐太郎
●第8章 サイバースペースの彼方へ ……磯 達雄
●第9章 21世紀へのヴィジョンと愛知万博 ……五十嵐太郎
●第 おわりに ……磯 達雄
●初出一覧 五十嵐太郎 執筆部分
●主要参考文献 磯 達雄 執筆部分
内容説明
高度成長期、少年向け雑誌のイラストや漫画に描かれた超高層ビル群、エアカー、空中都市などに、子供たちは魅了された。建築家たちも、増加する人口に対応するための巨大な東京計画を次々と発表した。一九七〇年の大阪万博は未来都市の実験場だった。しかし、四十年後の上海万博で展示された未来都市は、大阪万博とたいして変わっていない。未来都市は構想できなくなったのか?いまやノスタルジーなのか?ダ・ヴィンチから現在まで、建築家たちやSF作家たちが描いた未来都市像の変遷を辿る。
目次
第1章 大阪万博と1960年代
第2章 未来のふたつの顔
第3章 東京をめぐる想像力
第4章 未来都市としての東京
第5章 近代ユートピアの系譜
第6章 ユートピアから科学へ
第7章 アジアとコンピュータ
第8章 サイバースペースの彼方へ
第9章 21世紀へのヴィジョンと愛知万博
著者等紹介
五十嵐太郎[イガラシタロウ]
建築史家・建築評論家。1967年、フランス・パリ生まれ。東京大学工学部建築学科卒業後、同大学大学院修士課程修了。博士(工学)。中部大学助教授などを経て、東北大学教授。『建築雑誌』編集委員長、ベネチアビエンナーレ国際建築展2008日本館のコミッショナーを務めたほか、横浜トリエンナーレ2008のイエノイエ・プロジェクトなど、展覧会の企画やコンペの審査員など多数
磯達雄[イソタツオ]
1963年、埼玉県生まれ。1988年、名古屋大学工学部建築学科卒業後、1999年まで『日経アーキテクチュア』編集部勤務。2000年に独立。2002年から編集事務所・フリックスタジオを共同主宰。桑沢デザイン研究所および武蔵野美術大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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