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PHP新書
ぼくらが夢見た未来都市

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569779577
  • NDC分類 518.8
  • Cコード C0252

出版社内容情報

建築家や作家は、どんな未来を描いてきたのか。

建築家やSF作家たちが描く未来都市は、どのような変遷を遂げてきたのか。それぞれの時代が持った問題意識・空気・想像力を読み解く。

上海万博が開幕した。中国が威信をかけた、「より良い都市、より良い生活」がテーマの万博である。

▼しかし、そこに展示された未来都市像は、どこかで見たことがある。かつて少年向け雑誌のイラストや漫画に描かれた超高層ビル群、エアカー、空中都市……。1970年の大阪万博から40年、未来都市はたいして変わっていない。

▼「未来」はノスタルジーになったのか?

▼一方で、現実の上海やドバイの街は、あのころ夢見た未来都市のようだ。



▼本書では、建築家による未来都市について五十嵐が、フィクションにおける未来都市について磯が執筆。ひとつのテーマを、リアルとフィクションの両面から考察する。

▼大阪万博へと至る1950~60年代の未来都市への関心の盛り上がり、東京をめぐる未来都市のヴィジョン、ルネサンス期から近代・現代へと至るユートピア、コンピュータの発達による未来都市像の変貌、そして、大阪万博と対照的な形で、愛知万博について論じる。

●はじめに ……磯 達雄 
●第1章 大阪万博と1960年代 ……五十嵐太郎 
●第2章 未来のふたつの顔 ……磯 達雄 
●第3章 東京をめぐる想像力 ……五十嵐太郎 
●第4章 未来都市としての東京 ……磯 達雄 
●第5章 近代ユートピアの系譜 ……五十嵐太郎 
●第6章 ユートピアから科学へ ……磯 達雄 
●第7章 アジアとコンピュータ ……五十嵐太郎 
●第8章 サイバースペースの彼方へ ……磯 達雄 
●第9章 21世紀へのヴィジョンと愛知万博 ……五十嵐太郎 
●第 おわりに ……磯 達雄 
●初出一覧 五十嵐太郎 執筆部分 
●主要参考文献 磯 達雄 執筆部分 

内容説明

高度成長期、少年向け雑誌のイラストや漫画に描かれた超高層ビル群、エアカー、空中都市などに、子供たちは魅了された。建築家たちも、増加する人口に対応するための巨大な東京計画を次々と発表した。一九七〇年の大阪万博は未来都市の実験場だった。しかし、四十年後の上海万博で展示された未来都市は、大阪万博とたいして変わっていない。未来都市は構想できなくなったのか?いまやノスタルジーなのか?ダ・ヴィンチから現在まで、建築家たちやSF作家たちが描いた未来都市像の変遷を辿る。

目次

第1章 大阪万博と1960年代
第2章 未来のふたつの顔
第3章 東京をめぐる想像力
第4章 未来都市としての東京
第5章 近代ユートピアの系譜
第6章 ユートピアから科学へ
第7章 アジアとコンピュータ
第8章 サイバースペースの彼方へ
第9章 21世紀へのヴィジョンと愛知万博

著者等紹介

五十嵐太郎[イガラシタロウ]
建築史家・建築評論家。1967年、フランス・パリ生まれ。東京大学工学部建築学科卒業後、同大学大学院修士課程修了。博士(工学)。中部大学助教授などを経て、東北大学教授。『建築雑誌』編集委員長、ベネチアビエンナーレ国際建築展2008日本館のコミッショナーを務めたほか、横浜トリエンナーレ2008のイエノイエ・プロジェクトなど、展覧会の企画やコンペの審査員など多数

磯達雄[イソタツオ]
1963年、埼玉県生まれ。1988年、名古屋大学工学部建築学科卒業後、1999年まで『日経アーキテクチュア』編集部勤務。2000年に独立。2002年から編集事務所・フリックスタジオを共同主宰。桑沢デザイン研究所および武蔵野美術大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

碧海

26
流線形の高層ビル、透明なチューブ、空飛ぶ車。「未来」と聞いて浮かぶ光景はどこから連想されて、どこへ消えたか建築史とSF史から考察する本です。いつしか無邪気な未来予想図を描けなくなり、暗く荒廃し、ありえそうな危機感に満ちた近未来が受け入れられ出したのはどちらも同じ。時代の風潮を取り込みながら、建築は都市と人を、SFは人の内面と夢や不安を、時代に合わせて形を変え、私たちを先回りして受け止めていたのでしょう。未来が、もはや「未来予想の歴史」という過去になった現在、特にSFファンに読んでほしい1冊。2015/11/03

かっぱ

21
【図書館】40年以上前に大阪万博で夢見られていた未来都市が、2010年の上海万博でも変わり映えがない姿として登場する。ある時から未来はポジの部分の繁栄だけではなく、ネガの部分である廃墟の姿としても思い描かれるようになってくる。そういう点では未来への夢だけを描くことができた大阪万博は特別なイベントだったと言えそう。当時のSF小説が建築に与えた影響も興味深い。2014/11/15

ネムル

6
大阪と愛知の二つの万博を接点に、かつて建築家が夢見た未来都市と小説や映画で描かれたフィクションとしての未来都市、その二つの関係と変遷について書かれている。60年代を牽引していくメガストラクチャーやメタボリズムなどわりと入門的な内容なので、その思想に結びついた簡単なSFガイドとして楽しんだ(誰もが考えるだろうメトロポリスやブレランはもとより、プリーストやサンリオSFなんかも挙げられる)。むしろ失敗することに失敗したという愛知万博について、もう少し読みたい。2013/07/02

雲をみるひと

3
数百年前から愛知万博の頃までの未来都市に関する様々なアイデアを纏めた本。都市に関するアイデアを知るという目的においては入門書となり得る。空想、構想から都市計画までの全てを網羅しており、いつどのようなアイデアが世に出たかは纏まっている。しかしながら一方で各々の詳細まではあまり入れていない面は否めない。2018/06/12

オシャレ泥棒

3
図書館 拾い読み。SFで描かれた未来、ユートピアとディストピアが紹介されているところがよかった。愛知万博を「失敗することに失敗した」と評する。万博を開催する意味を見いだせなかったことが敗因の一つなのだろう。2016/10/10

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