• ポイントキャンペーン

なりひらの恋―在原業平ものがたり

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 273p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569779171
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

日本史きっての美男子をユニークに描く長篇。

その人生は平安時代の「人間失格」!? 最高の美男、数々の恋愛遍歴、しかし貴族としては不遇だった在原業平をユニークに描く長篇小説。

在原業平といえば、『伊勢物語』に「むかし男ありけり」と語られた人物とされ、日本史屈指の美男、プレイボーイといわれる。父は平城天皇の第一皇子・阿保(あぼ)親王、母は桓武天皇皇女・伊都(いと)内親王、しかも『古今集』はじめ勅撰集に多数入集している歌才からして、実在の業平もかなり女性にモテただろう。

▼しかし業平は貴族としては出世が遅く、不遇であった。華麗な恋愛遍歴と裏腹に、内面はかなり屈折していただろう。その屈折は、あるい太宰治作品の主人公のような「マイナスの魅力」を湛え、女性たちを虜にしたのではないか――本書の主人公「なりひら」は、この前提から誕生した。

▼権力や地位にはまるで無関心、マイナス思考でマイペース、恋愛はしても溺れたりしない。どろどろした政争のかたわらで、ひとり静かに恋をし歌を詠んでいる「なりひら」の、どこか憎めないキャラクターに思わずはまってしまう。新感覚で楽しめる古代の恋愛物語。 

●春の章 起きているのか寝てるのか 
●夏の章 わけもなく物思いにふける 
●秋の章 これがほんとうの恋なんだね 
●冬の章 都鳥さん教えておくれ 
●あとがき

内容説明

美男子なのに後ろ向き、高貴な出なのにマイペース…それでもみんなに愛された「なりひら」の恋物語。

著者等紹介

三田誠広[ミタマサヒロ]
1948年、大阪生まれ。早稲田大学文学部卒業。1977年、『僕って何』を「文藝」に発表し、芥川賞受賞。以後、小説、評論、エッセイと幅広く活躍している。日本文藝家協会副理事長。日本ペンクラブ理事。武蔵野大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

90
美男の代表・業平ならぬ〈なりひら〉の女性遍歴を綴った恋物語はオモシロイ。和歌の世界は無調法で疎い私ですが、芥川賞作家の三田氏の手を経ると、古典の名作『伊勢物語』もこんなに解りやすく楽しめることを知りました。文中あちこちで、プレーボーイなりひらの面目躍如ぶりが窺い知ることができます。「どんな夜にも夜明けがあるように、どんな恋でもやがて冷めてしまう…」としみじみと述懐。男目線で描かれたこの物語、女性諸姉には少々承服しかねる箇所もあるかもしれませんが、古典文学の名作に免じてご容赦願いたい。【図書館本】2020/09/11

みつき 

48
伊勢物語と史実を基に創作された在原業平の恋物語。業平の特徴のある一人称の語り口があまり雅な感じでないなと思いながら読み進めていましたが、結局夢中になって一気読み。歌の紹介も多く、高子との恋はもちろん、当時の貴族達の政治的策略や権力争いも生々しく描かれていてとても面白かったです。見目が良く、業平のように政治、権力に頓着なく、優しく優柔不断、女性にのめり込んだら一直線、そんなダメダメな男の人に女性は生涯に一度は惹かれるのかも。軽く読める小説なのでこの時代に興味がない人でも楽しめそう。2013/07/26

真理そら

45
易しい文章で書かれているので桓武(50)から陽成(57)までの歴史や伊勢物語の中のなりひらがよく分かる。業平は才能や血筋の割に恵まれない人生だったかもしれないけれど、同じくらい高子も恵まれていない。高子の異母姉妹の淑子が登場したので、『山河寂寥(杉本苑子)』を再読した。2019/07/23

ひなひな

35
ずっと少年のようだった「なりひら」さん。大人になりきれず、ダメな人にも思えるけれど、歌は素敵ですよね~。本人的には恵まれない人生だったのかしら。2016/01/02

星群

31
どんなに美男子だともてはやされようとも、好きな人と添い遂げられないこと程、切ないことはありませんね、なりひらさん。2014/11/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/585301
  • ご注意事項