出版社内容情報
日本史きっての美男子をユニークに描く長篇。
その人生は平安時代の「人間失格」!? 最高の美男、数々の恋愛遍歴、しかし貴族としては不遇だった在原業平をユニークに描く長篇小説。
在原業平といえば、『伊勢物語』に「むかし男ありけり」と語られた人物とされ、日本史屈指の美男、プレイボーイといわれる。父は平城天皇の第一皇子・阿保(あぼ)親王、母は桓武天皇皇女・伊都(いと)内親王、しかも『古今集』はじめ勅撰集に多数入集している歌才からして、実在の業平もかなり女性にモテただろう。
▼しかし業平は貴族としては出世が遅く、不遇であった。華麗な恋愛遍歴と裏腹に、内面はかなり屈折していただろう。その屈折は、あるい太宰治作品の主人公のような「マイナスの魅力」を湛え、女性たちを虜にしたのではないか――本書の主人公「なりひら」は、この前提から誕生した。
▼権力や地位にはまるで無関心、マイナス思考でマイペース、恋愛はしても溺れたりしない。どろどろした政争のかたわらで、ひとり静かに恋をし歌を詠んでいる「なりひら」の、どこか憎めないキャラクターに思わずはまってしまう。新感覚で楽しめる古代の恋愛物語。
●春の章 起きているのか寝てるのか
●夏の章 わけもなく物思いにふける
●秋の章 これがほんとうの恋なんだね
●冬の章 都鳥さん教えておくれ
●あとがき
内容説明
美男子なのに後ろ向き、高貴な出なのにマイペース…それでもみんなに愛された「なりひら」の恋物語。
著者等紹介
三田誠広[ミタマサヒロ]
1948年、大阪生まれ。早稲田大学文学部卒業。1977年、『僕って何』を「文藝」に発表し、芥川賞受賞。以後、小説、評論、エッセイと幅広く活躍している。日本文藝家協会副理事長。日本ペンクラブ理事。武蔵野大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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