黄蝶舞う

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  • サイズ B6判/ページ数 301p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569775036
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

鎌倉将軍家の謎に材を得た幻想ロマン連作小説。

『四日間の奇蹟』の著者が、頼朝・頼家・実朝ら鎌倉将軍家三代の闇に材を得て放つ幻想歴史連作集。時代小説の新機軸に挑んだ好著。

ミリオンセラー『四日間の奇蹟』と並称される著者の代表作『君の名残を(上・下)』。平安末の動乱期にタイムスリップした高校生男女2人を主人公とした本作以来、温めてきた歴史連作集がついに完成。鎌倉将軍家の死をめぐる幻想譚で構成された本書『黄蝶舞う』である。

▼頼朝・頼家・実朝の三将軍をはじめ、源家の貴人たちの死は歴史の暗いベールに覆われている。著者は史実を丹念に踏まえながら、独自のミステリアスな物語世界を織り上げていく。

▼北条政子と長女・大姫の真夏の光景を切り取った「空蝉」。頼朝の死をめぐる因縁を描く「されこうべ」。修禅寺物語に想を得た「双樹」。殺される側実朝と殺す側である頼家の遺児・公暁それぞれの生涯をたどる「黄蝶舞う」と「悲鬼の娘」の5編を収録。各々独立した作品として成立しながら相互が共鳴しあい、妖しき闇の世界を映す絢爛たる絵巻となった。

▼本格的時代小説は初挑戦ながら、確かな筆致に支えらた傑作。

●空蝉 
●されこうべ 
●双樹 
●黄蝶舞う 
●悲鬼の娘 
●引用・主要参考文献一覧 
●源氏三代略系図 

内容説明

真夏の母娘の光景を切り取った「空蝉」。初代将軍頼朝にまつわる因縁を描いた「されこうべ」。修禅寺物語に想を得た「双樹」。そして鶴岡の惨劇を軸に対を為す、殺される側実朝と殺す側である頼家の遺児公暁のそれぞれの生涯をたどった「黄蝶舞う」と「悲鬼の娘」。各々が独立した作品として成立していながら互いに複雑に絡み合い、やがて妖しくも美しき闇の世界を映した絵巻を織り上げていく。確かな筆致に支えられた異色の歴史連作集。

著者等紹介

浅倉卓弥[アサクラタクヤ]
1966年生まれ。東京大学文学部卒業。第1回『このミステリーがすごい!』大賞(金賞)受賞、2003年『四日間の奇蹟』(宝島社)にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とん大西

83
『君の名残を』,『修羅の都』と鎌倉づいてたここ数週間。案外この混沌とした武家政権黎明期も好きなんだなぁとあらためて自覚。そのカオス渦巻く鎌倉府の創業者源頼朝とその家族の忌の際を描いた短編集。巧みな政治手腕で東国の荒くれ武者供を束ね独立政権を打ち立てた初代頼朝。平清盛、安徳帝、源義経、木曽義仲、大姫…。敵味方問わず数多の犠牲。無念と屍の上に立つ鎌倉の社稷にまとわりつく怨念、恨み、祟り…。頼朝やその子らの臨終の哀れなさま。史実を超えた奇想譚とはいえそんなこともあったかもなぁと非情の時代に儚さをおぼえる…。2018/05/04

ポチ

48
読友さんのレビューより。源家三代の滅亡を哀しく綴っている。亡霊と怨霊も出て来るが、文章が綺麗だから怖さより哀れさが際立つ。頼朝の死の真相はもしかしたら…。2017/08/18

藤枝梅安

23
「君の名残を」で登場した、大姫の死や、頼朝、頼家、実朝、公暁の源家三代の死に至る様を描いた5編をまとめた1冊。頼朝に恨みを抱いて死んでいったものたちの怨念が集まり、鎌倉三代を呪う、という内容。流麗な文体が、人の儚さを引き立てている。装画は藤枝出身の北村さゆりさん。誤植1箇所:59ページ6行目に「談じて否だ」という記述があるが「断じて」が正しいはず。2010/09/19

assam2005

16
「君の名残を」の後の時代のお話。木曽義仲の息子・義高の妻であり、頼朝と政子の娘である大姫のその後から始まり、有無を言わさず出家させられた頼朝の孫・公暁が恨みを晴らすべく北条”四郎”義時を討とうとするところまで。何故、四郎が「君の名残を」で現代からタイムスリップしたのかが分かった。四郎側の視点ではない為、共感はしにくく入り込みにくかったが、この最後の「義時の神がかり的な行動」を意味する為の一冊だったように思える。既に四郎ではなくなってしまったのが少し寂しく、哀れに思いました。2022/02/26

14
平清盛、源頼朝、実朝、公暁、頼朝の命を救ったことから始まった平家と源家の興亡を描く幻想的小説。歴史好きな読者の方には面白く読めるかもしれないが、そもそも幻想的な物語が苦手な自分には合わなかったな。2019/04/01

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