出版社内容情報
信長の下で悪戦苦闘する男たちを描く短編集。
主人公は、信長の知られざる家臣たち。『難儀でござる』の著者が、あるじに振り回されつつも懸命に生きる男たちを、彼らの目線で描く。
「上様、そんな理不尽な……」。
▼織田信長を“あるじ”と仰いだばかりに、はからずも悲喜劇の主人公となった名もなき家臣たち。
▼桶狭間の戦いの最中、兄か信長かを選ぶ破目に陥った家来の苦悩(「頼うだるお方」)。信長に雇われ、出世に意欲を燃やす相撲取りのがんばり(「出世相撲」)。かつて信長をたわけ呼ばわりしていた近習のしくじり(「たわけに候」)。信長に借金をチャラにしてもらおうと画策する神官のなやみ(「牛頭天王の借銭」)。信長の側室に恋をしてしまった茶坊主のあやまち(「天下を寝取る」)。信長に取り立てられ、一揆衆の国・加賀で無謀な策に出る城主のつまずき(「桶狭間ふたたび」)。合戦には出ずに筆で身を立てようとする右筆のひがみ(「右筆の合戦」)。主家を見限って信長に仕えたものの本能寺の変に直面してしまった武将のとまどい(「裏切り御免」)。
▼あるじ信長に翻弄される8人の家臣たちを、『難儀でござる!』の岩井三四二が彼らの視点で描く連作短編集。
●頼(たの)うだるお方
●牛頭天王(ごずてんのう)の借銭
●右筆(ゆうひつ)の合戦
●桶狭間ふたたび
●天下を寝取る
●出世相撲
●たわけに候
●裏切り御免
内容説明
信長に雇われ、出世に意欲を燃やす相撲取りのがんばり、信長をたわけ呼ばわりしていた近習のしくじり、信長に借金をチャラにしてもらおうと画策する神官のなやみ、信長の側室に恋をしてしまった茶坊主のあやまち…。はからずも悲喜劇の主人公になってしまった無名の人びと。信長に仕えたばかりに運命に翻弄される家臣たちを『難儀でござる』の著者が描く。
著者等紹介
岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年岐阜県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、電機メーカーに勤務。1996年『一所懸命』で第64回小説現代新人賞、1998年『簒奪者』で第5回歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で第10回松本清張賞を受賞し、作家生活に入る。2004年『村を助くは誰ぞ』で第28回歴史文学賞、2005年『十楽の夢』が直木賞候補となる。2008年『清佑、ただいま在庄』で第14回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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