PHPサイエンス・ワールド新書<br> 環境を知るとはどういうことか―流域思想のすすめ

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PHPサイエンス・ワールド新書
環境を知るとはどういうことか―流域思想のすすめ

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  • サイズ 新書判/ページ数 212p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569773056
  • NDC分類 519
  • Cコード C0240

出版社内容情報

環境問題や「自然との共生」の本質をつかむために、地元の流域を歩いてまともな感覚を身につけよ。
▼岸と解剖学者養老孟司は、本書で共に小網代を訪れた後、「流域思考」を提唱する。
▼大地は大小の流域によってジグソーパズルのように構成されている。自分の暮らす流域のかたちを把握することができれば、他の流域についての理解も可能になり、ひいては地球環境に対するリアルな認識が生まれる。また、葉のつき方、木の並び方などの自然のありさまは、種の生存にまつわる問題の「解」をあらわすものだ。流域を歩き、「解」を見つめよ。そうすれば、地球の中に暮らす人間が持つ「まともな感覚」が得られるはずだ――。
▼後半では元国土交通省河川局長の竹村公太郎も参加。行政者の視点と志を述べる。

内容説明

生物学者・岸由二は三浦半島の小網代や、都市河川である鶴見川の環境保全活動に尽力し確かな成果を挙げてきた。小網代は源流から海までまるごと自然のままで残っている、全国的にも稀有な流域である。本書で岸と養老孟司は共に小網代を訪れた後、「流域思考」を提唱する。自分が暮らす流域のすがたを把握することから、地球環境に対するリアルな認識が生まれるのだ。後半では元・国土交通省河川局長の竹村公太郎も鼎談に参加する。

目次

第1章 五月の小網代を歩く―完璧な流域を訪れて
第2章 小網代はこうして守られた
第3章 流域から考える
第4章 日本人の流域思考
第5章 流域思考が世界を救う
第6章 自然とは「解」である

著者等紹介

養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年、鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。95年、東京大学医学部教授を退官し、同大学名誉教授に。89年、『からだの見方』(筑摩書房)でサントリー学芸賞を受賞

岸由二[キシユウジ]
1947年、東京生まれ。横浜市立大学文理学部生物科卒業、東京都立大学理学部博士課程修了。理学博士。慶應義塾大学教授。専門は進化生態学。流域アプローチによる都市再生論を研究・実践。鶴見川流域の防災・環境保全、三浦半島・小網代の環境保全にかかわる市民活動の中心スタッフとして活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ

140
日本には守るべき自然がまだ沢山残っている。昭和40年代に洗剤を大量に使い始め、鎌倉の川はほとんどの生き物が死んだ。人間の理屈は一見、理路整然に見えて、流域という自然一つとっても、わからないことだらけである。川筋一本変えるのは簡単なことだが、地球の中に暮らす感覚を持ち続けることは難しい。…生物学者の岸氏が守る三浦半島小網代を養老氏が散策。虫の観察から流域思考や保全、人間の不自然さまでを語り尽くす本書。身近な植物や昆虫、水の流れがどれほど尊いのか、社会の矛盾に気づくため、地べたを見つめる大切さを教えてくれる。2020/05/06

aisapia

15
人々が自分がどこに住んでいるかわからなくなってしまった、というお話が印象的でした。自分が住んでいる所はもちろん日本の何県、何市で表すことができるが、まず地球だということを忘れている…確かにそうかも…。自分の住んでいる地球について私たちはもっと知るべきだし、考えるべきですね。自分はただ自然が好きなので読んでみたというレベルで、細かい話は難しい所がありました。でも流域で地域を考えないと、災害時、温暖化による豪雨の時なども治水ができないよ、足元のデコボコをもっと気にしようよという考えは最もだなと思いました!2021/01/23

mdoguti

7
KindleUnlimited.土木の河川屋なら誰もがやりたいと思うことを市民運動という形で実践されている岸由二氏。一方で一般向けにはなかなか著書を出してくれない。そういう岸氏を養老氏との対談という形で、一般人の前に出してくれたのが本書。「環境」という観念ではなく、自分の今いる所を見る、感じることに重きを置きなさい、というメッセージが随所に感じられた。自分も仕事の中でまだ何かやれることがあるのでは、と思わせてくれる一冊であった。2022/10/08

さきん

6
今の河岸工事は堤防をコンクリートで固めてしまうので、陸域と川との生態的つながりが絶たれてしまっていると思う。また、子供も川で遊ぶという機会がほとんど消失してしまっている。私は自然が大好きなのでディズニーランドよりも魚を追い掛け回している方が楽しかった。2015/07/10

あちゃくん

5
川の流域単位で物を考えるという発想自体がなかったので、この本で岸さんが述べられていることは、非常に新鮮に感じました。でも、昔から政治の一大テーマが治水だったわけだし、川単位で考えるということは必要なんでしょうね。この本で紹介されている小網代には、一度行って自分の目で確かめてみたいと思いました。2011/08/28

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