檸檬

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  • サイズ B6判/ページ数 61p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784569772660
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

『檸檬』の世界に、今の私たちも生きている。

言いようのない閉塞感とたった一つの檸檬がもたらす高揚。梶井基次郎の名作『檸檬』の世界を、写真とともに味わう。

心をおしつける不吉な塊、

▼微熱を帯びた身体、

▼行き場のない自分。



▼何かに追い立てられるように、街から街へと彷徨い歩く私の目にとまった、一個の檸檬。その形、色、香りに、すっかり心を奪われてしまう。

▼憂鬱な気分も薄れて、足が遠のいていたはずの丸善に意気揚々と入っていった私は、自分でも思いもよらない行動に出る。



▼31歳で夭折した、梶井基次郎の名作『檸檬』を写真とともに味わう。

内容説明

肺に病をかかえ、何か憂鬱なものに心を押しつぶされそうになる私は、追い立てられるように、街から街へと彷徨い歩く。果物屋で目にとまった檸檬を手に入れると、その冷たさと香りに心が弾んだ私は、思いがけない行動に出る。今もなお色褪せることのない、梶井基次郎の名作『檸檬』。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yuyu

65
名作と言われる梶井基次郎の「檸檬」。独特の世界観、独特の雰囲気。文章と写真、どちらも美しく、自分がまるでタイムスリップして、基次郎の時代の京都を彷徨っている感覚になった。黄色く光る檸檬…時限爆弾…美しい情景だ。2017/12/29

ねこさん

34
蝕まれた倦怠、焦燥、得体の知れない背徳感でむき出しになった五感に受ける色彩の圧、古びた街と晩秋の日差しの差異、目眩のするような柔らかなアングルの空虚。骨肉に染み込んだ不安を携えて歩く時、重さや形象、そして手触りの当たり前でないことに驚く。そしてその平穏な世界の外側に放り出された自分が、その薄い皮膚の内側に身を潜め眺めるその特異点を名辞するものとして、檸檬が意図されなかったものとして存在していたという気付きの喜びと興奮。梶井の中にアクチュアルに流れる時間感覚の空気が凝縮して、この短編を特別なものにしている。2018/05/20

いろは

34
真っ黄色な表紙に、タイトルは『檸檬』すぐ読めた薄めの作品は、本棚でその存在感を発揮していた。ページを捲ると、美しい写真。またページを捲ると、美しい文体。その文体をさらに美しくさせるためにあるような、白い余白。しかし、文章からは何か気だるさを感じる。まるで、誰かの疲れに寄り添うように。撫でるのではない。寄り添っている。美しいものを見たいとき、疲れたとき、ちょっと読んでみるといい。決して明るくない部屋の隅っこかな。それとも、小さな灯りの付いた寝る前のベッドでかな。ワクワクしながら、何度でも読みたい作品だった。2018/02/28

麻衣

34
高校生だった頃、退屈な授業を吹き飛ばす時限爆弾として、教壇に檸檬を置いてみた。大学生だった頃、深夜の寺町通りでワルツのリズムを踏んでみた。そんな甘くアンニュイなノスタルジー。いつだって想像と遊び心から始まる不自由への闊歩。2017/04/24

100

19
名作『檸檬』。鮮やかな黄色に惹かれて手に取り、そういえばちゃんと読んだことないなぁとパラパラ捲ってみる。大きな文字に写真。これならすぐ読めそうだなと思い読み進めるもよく分からない。何が分からないのかも分からないけど、文字が滑って内容が入ってこない。文学を感じる難しさを思い出した。残念(私の頭が)。皆さんの感想を読んでから、再読します。※図書館本2021/05/17

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