出版社内容情報
おそろしくも心惹かれる、江戸のあやかし譚
夫の魂が宿った猫、喋る生首……令和を代表する女性時代作家による名作アンソロジー
「御前」と呼ばれる使い古された“筆”が、ある文字書きとの半生を語る「ぞっこん」(朝井まかて)、急死した父の口入屋を継いだ男が、歳を取らない者たちの存在に気付く「蜆塚」(宮部みゆき)、半年前に亡くなった夫が白猫になって妻のもとに戻ってきた真相が判明する「風来屋の猫」(小松エメル)など、もの悲しくも背筋が凍る短編時代小説六作を収録。
いま大人気の女性時代作家による豪華アンソロジー。
内容説明
「御前」と呼ばれる使い古された“筆”が、ある文字書きとの半生を語る「ぞっこん」(朝井まかて)、急死した父の口入屋を継いだ男が、歳を取らない者たちの存在に気付く「蜆塚」(宮部みゆき)、半年前に亡くなった夫が白猫になって妻のもとに戻ってきた真相が判明する「風来屋の猫」(小松エメル)など、もの悲しくも背筋が凍る短編時代小説六作を収録。いま大人気の女性時代作家による豪華アンソロジー。
著者等紹介
細谷正充[ホソヤマサミツ]
文芸評論家。1963年生まれ。時代小説、ミステリーなどのエンターテインメントを対象に、評論・執筆に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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時代小説大好き本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
113
人気女流作家の時代小説を集めたアンソロジーのシリーズ。『ねこだまり』に続く2冊目です。今回のテーマは "もののけ"。付喪神あり、妖怪あり、幽霊あり、生首が登場する怪談ありで、バラエティに富んだアンソロジーです。作家さんによって、"もののけ"に対する切り口も、またその語り口も様々で、存分に楽しませてもらいました。アンソロジーの利点の一つに、読み込んでみたい作家さんとその作品が見つかることが挙げられると思います。今回も、いくつか読んでみたい作品が見つかりました。作品名はコメント欄に記します。2021/01/23
sin
102
まかて:歳降ると付喪神になると云うがそれは役目を全う出来ず打ち捨てられた場合…この物語の“御前”はいっち書くことが好きな職人に見出だされ全盛期を支えた自負を持つ。エメル:結局は物語の為にするご都合主義の設定に興を削がれる。昌子:人間は不器用な生き物、不憫に思う気持ちが行き過ぎて、大切なものを見失う。茂里:白児の愛らしい造形に比べて判で捺したように類型的な妖怪描写が不満だが、先が気になるシリーズものの第1話。七海:御仏に仕える身と云え人間、行いのおどろおどろさ。みゆき:市井の話は一転、世に潜む存在の恐怖譚。2020/07/08
タイ子
81
6人の女性作家による怪異時代小説アンソロジー。既読の作品もあれば初読み作家さんもいてどれも面白くて怖くて切ない物語。ホントに怖いのは生きている人間なんだけど、もののけはそこに現れる意味があっての怪異となる。情念が込められているだけに取り払ってやるとあの世に帰っていく。その過程に物語があり、結末がどれもいい。亡くなった夫が白猫になり妻の元に帰る「風来屋の猫」も好きだけど、ケイトウの咲く庭に現れる男と庭師の娘の謎めいた話「韓藍の庭」が物悲しくて一番好み。2020/03/28
papako
71
お風呂本。時代小説のもののけたち。半々で既読作家さんと初めてさん。初めて小松エメルの話を楽しいと思えました。加門七海さん、若竹さん繋がりでお名前は知っていましたが初めて。こんな文章を書かれるんですね。気になります。三好昌子作品も良かった。京都が舞台の作品を書かれているそうなので探してみよ。森山茂里作品も良かったけど、シリーズの評判は良くないので見送りかな。宮部みゆきさんのはしっかり覚えてるやつでしたが問題なし。うん、楽しめました。2020/12/15
ポチ
64
6話の“もののけ”の話。宮部さんは既読だったが、他も楽しいのや、ちょっとだけ怖いのもあり、面白く読了2020/03/20