出版社内容情報
友情を育んだ少年期、倒幕に邁進した壮年期、そして袂を分かった西南戦争……。二人の間に何がおきたのか。その心情に迫った歴史長編。
内容説明
(また後始末じゃ)大久保は、西郷にいささかうんざりした―。信念によって動き、攻めるときは無類に強いが、守勢に回ったときにはあっさり投げ出してしまう西郷。そんな西郷に振り回されながらも、その長所と短所をよく知り、持ち前の粘り強さで支えていく大久保。余人にはうかがい知れぬ両雄の絆を新視点でとらえつつ、維新回天に果たした二人の役割を活写した歴史長編。
著者等紹介
立石優[タテイシユウ]
1935年、大連(現・中国遼寧省)に生まれる。明治大学文学部を卒業。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雛子
8
大久保利通好きとしては、とても好感の持てる本。西郷隆盛の偉大さはわかるけど、あまりの人気ぶりに大久保利通を貶す風潮があるのが残念ななか、この本はずいぶん大久保贔屓。薩摩の郷中時代からかけあしで2人の最期までを描いているので、わりあいさらっとした印象。最後に参考文献をみたら、おもしろそうな文献がたくさんあって興味津々。2018/05/03
ドットジェピー
3
2018年の大河ドラマの予習に。二人の生い立ちや深い部分についてはあまり知らなかったので勉強になりました
すうさん
2
明治維新へ時代変遷に多くの紙面が割かれていて、西郷と大久保の関係は最初は少ししか描かれていない。大政奉還の前に至って彼らの性格や思想の違いも明確に浮き出てきて、大久保たちの海外視察の後からはその違いが際立った。情の西郷は確かに愛すべき人物であるが、大久保の知性や才能ももっと理解されるべきだと思っているが、西郷を描いたどのドラマでもその終わりには、大久保が殺される場面まで描かないと納得されないのは仕方ないのかも。歴史には表のヒーローと同時に裏のヒーローも存在することを忘れてはならないと思う。太陽と月なのだ。2018/12/12
39taka
0
unlimited。西郷と大久保は同郷の親友、情の西郷、論理の大久保、大久保は明治新政府の中枢に、西郷は下野し西南戦争の末に自害。歴史を知らな過ぎて、1つ1つの事実が点と点。幕末以降は、人物の写真もあり比較的イメージがし易いので、この時代を少し深堀りしてみたい。点と点が線でつながったら面白いだろうな。新選組、孝明天皇、和宮、徳川慶喜、尊王攘夷、維新の三傑、勝海舟、江戸城無血開城、坂本龍馬、戊辰戦争、岩倉具視…聞いたことあるけどさっぱり分からない出来事や人物がたくさん。大きな流れを自分の言葉で語れるように。2022/06/04
odakaz
0
西郷隆盛と大久保利通の生い立ちから最期までをさっと一読できる。二人の話を文庫本一冊にまとめてあるので、展開が早いのは仕方ないか。2018/02/16