PHP文芸文庫<br> 沈黙の詩(うた)―京都思い出探偵ファイル

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PHP文芸文庫
沈黙の詩(うた)―京都思い出探偵ファイル

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  • サイズ 文庫判/ページ数 326p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569767543
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

思い出が人生を狂わせることもある――京都府警の元刑事がひらいた「思い出探偵社」をめぐる、ほろ苦くも心温まるシリーズ第三弾。

内容説明

京都府警の元刑事、実相浩二郎による「思い出探偵社」では、わずかな手がかりから依頼人の思い出の人や物を見つけ出す。今回の依頼は、二十八年間、内縁の妻として暮らしていながら、それまでの人生を一切語らないまま認知症状が出てきた女性の過去を探ること。ノートに書き留められた詩を手がかりに、岡山、倉敷、今治、名古屋、大阪と奔走する探偵たちは、徐々に悲しき真実に近づいていく。文庫書き下ろし。

著者等紹介

鏑木蓮[カブラギレン]
1961年、京都市生まれ。塾講師、教材出版社、広告代理店勤務などを経て、1992年、コピーライターとして独立する。2004年、立教学院・立教大学が「江戸川乱歩と大衆の20世紀展」を記念して創設した第1回立教・池袋ふくろう文芸賞を、短編ミステリー「黒い鶴」で受賞する。2006年、『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。12年より、佛教大学文学部非常勤講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

113
大宰府ではこれまでの悪いことを嘘にして今年の吉に取り換えると言う木うそ・・真実にたどり着いた時、何とも言えない涙が頬を伝っていた。85才の無戸籍女性の生きてきた証しは時代背景を共にして重かった。懸命に『生きる』事に必死だったのだ。それでも自分の罪は自分自身が知っているのだ。一つ一つの思い出ピースが嵌る時、蓋をしてしまいたい過去がそこにはあったのだ。幸せになることに罪悪感を持たないで、どうぞ穏やかに。と願って一気の読了だった。鏑木蓮、堪能しました。2018/01/21

ダイ@2019.11.2~一時休止

102
思い出探偵その3。本作での過去は重い内容ですねぇ。今回は長編でしたが個人的にはこのシリーズは短編集の方が好み。2018/01/27

はつばあば

72
読後感優!。レビューを書いた途端バカして消えた(~_~メ)。人生色々、歌にもあるが戦前・戦中・戦後、そして昭和から平成に至るまでに何の傷も無く生きてきた人はそういないだろう。今回の女性も現在はとても幸せなのだが、過去の過ちが心を責める。認知症(そろそろ私も・・)に無国籍と現実的な内容に今回の鏑木さんを褒め称えたレビューが消え・・駄文になった(^^;2018/01/16

えみ

46
個人的な感覚だけど、“思い出”は思いを馳せることでジンと胸の奥が疼くような温かな気持ちのことで、思い出すことで全身が凍るような息苦しさを感じるものは“記憶”として捉えている気がする。私にとって思い出という言葉は「懐かしいが紡いだ幸せ」だけであってほしいという願望なのかもしれない。これまで様々な探偵の活躍を読んできたが…、思い出を探す探偵は初めてだった。元刑事、実相浩二郎の営む「思い出探偵社」に依頼されたのは認知症の症状が出てきた内縁の妻の過去が知りたい、というもの。過去の記憶が思い出を消すのか、深めるか?2025/04/05

タイ子

46
思い出探偵シリーズ第3弾。探偵社の代表は元刑事、調査員は元看護師、医者、昔両親が惨殺された過去を持つ女性。 依頼されるのは思い出を探すという風変わりな仕事内容。 本作は父親と長年連れ添った内縁の妻が認知症を発症、彼女の過去を誰も知らないので探して欲しいとの依頼が娘からある。調査員は西日本、九州へと奔走。だんだん見えてくる彼女の過去は切なくも悲しい過去だった。 人は過去と向き合いながら、過去の失敗や成功を糧に生きてるから今があると思う。忘れたい過去でも一緒に乗り越えてくれる人たちがいればこれからは未来です。2018/03/08

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