出版社内容情報
東大教授の肩書きよりも作家という道を選んだ夏目漱石の幸福論を、残された名言から読み解く。誰にも媚びない「猫」のように生きる!
伊藤氏貴[イトウウジタカ]
明治大学文学部准教授
内容説明
東大教授の肩書よりも、作家の道を選んだ夏目漱石。明治という激動の時代に名を残した文豪の生き方は、気ままで誰にも媚びない猫に似ている!?本書は、遺された漱石のことばを“幸福”という視点で読み解き、解説を加えた、今までにない名言集。「淋しさをさらけだす。」「好きなことで生きていく。」など、現代のわたしたちの幸せにも通じる、漱石のしなやかな人生観を学ぼう。
目次
第1章 人間関係
第2章 仕事
第3章 恋愛・結婚
第4章 金
第5章 自己
第6章 人生
第7章 幸福
著者等紹介
伊藤氏貴[イトウウジタカ]
1968年、千葉県生まれ。文藝評論家。明治大学文学部准教授。麻布中学校・高等学校卒業後、早稲田大学第一文学部を経て日本大学大学院藝術学研究科修了。博士(藝術学)。2002年に「他者の在処」で群像新人文学賞(評論部門)受賞。テレビ番組制作のアドバイザーなども務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ともとも
27
夏目漱石の日記や作品から、夏目漱石の生き方 さらには人生訓が記載してあって、 深すぎるという感じをしながらも、ものすごく、人生においてONとOFFを使い分けているというか、剛と柔のバランスのとり方がうまいという気がしてしまいました。 自分を見失わず、時に厳しくもしなやかに・・・ なるほどと思わされるほど、今後の自分の人生に勉強になったと思います。2016/09/25
ひみ
10
さら~っと読みました。見開きで、右側にキャッチーな言葉があり、左側に筆者の解説と漱石の作品等からの抜き出しが書かれています。私は、漱石の言葉を先に読んで解説を読むのがしっくりきました。こんなことも言ってるのか~とびっくりで、漱石作品に挑戦したくなりました。2018/12/01
いろは
8
私は夏目漱石の作品で、「こころ」しかまだ読んだことがなくて、その作品からは、Kの自殺やら、奥さんと心が通じ合えていないやら、何かと「不幸」なものを書く夏目漱石という印象が定着してしまったのです。 今回のこの作品は、「幸福論」でまさに逆転思想。夏目漱石から、幸福を見いだすとは、面白いな。そんな好奇心で読んでみたわけです。 そして、実際読んでみると、 まあー!為になるお話がずらりずらり笑 人間関係、仕事、恋愛・結婚、金、自己、人生、幸福 そんなテーマで、夏目漱石の作品の文章から汲み取りながら、話題にし2016/10/07
やたそ
1
ご縁あっていただいた本。正直「名言集で人生論か…この手の本あんまり読まないんだよな」と思ってた。だけど、人間関係、仕事、恋愛・結婚、金、自己、人生、幸福 と章が続き、後半になるにつれて立ち止まったり読み返す頁が多くなった。この夏に漱石を初めて手にとって読んだのは何かのお導きだったのかも。本作は、もう一度大事に読み返そう。そして漱石の作品も◇漱石の人生の半分以上もの年月を生きてきたのに、人生を見つめた時間は彼の1/10にも満たないかもしれない◇「ヒーローを馬鹿にしない」「嘘は遅効性の毒 真面目は遅効性の薬」2017/12/07
荏苒 byn
0
題名の 一方の猫は 本文に あまり関係ないようだが、 漱石式の気ままのアイコンらしい。 漱石の フィクションとノンフィクションから 名言 的な短文を抽出して、 著者が幸福論的エッセイを つけた本。エッセイは基本 漱石に 準拠している。 人生や 幸福や お金など7つの章に なっている。名言だけ拾うならパラパラと左端にあるから簡単。昔読んだ本でもこんなことが書いてあったかと 忘れている。先般、4駒漫画になった漱石も見たが、人気作家。今余は不倫的話は余り評価してない。browsed2023/06/23