出版社内容情報
殺された一人の老人。手がかりは、今は存在しないはずの黄色いアサガオ。深まる謎、衝撃の結末、一気読み必至の柴田錬三郎賞受賞作。
【著者紹介】
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内容説明
花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。第一発見者の孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、ブログにアップするとともに、この花が縁で知り合った大学院生・蒼太と真相解明に乗り出す。一方、西荻窪署の刑事・早瀬も、別の思いを胸に事件を追っていた…。宿命を背負った者たちの人間ドラマが展開していく“東野ミステリの真骨頂”。第二十六回柴田錬三郎賞受賞作。
著者等紹介
東野圭吾[ヒガシノケイゴ]
1958年、大阪生まれ。大阪府立大学工学部卒。85年、『放課後』で江戸川乱歩賞、99年、『秘密』で日本推理作家協会賞、2006年、『容疑者Xの献身』で直木賞、本格ミステリ大賞、12年、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で中央公論文芸賞、13年、『夢幻花』で柴田錬三郎賞、14年、『祈りの幕が下りる時』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
835
小説の着想の根幹にあったのは、黄色いアサガオ。そこに登場人物たちを配して、物語を組み立てていったと思われる。江戸期のアサガオブームは(菊や金魚もそうだが)とうてい今の比ではなかっただろう。それだけ、世が太平で暇と根気と知識と技術があったということか。さて、小説中では若いカップル、刑事、察庁のキャリアと複数の探偵役が登場する。それぞれに魅力的でないことはないが、プロットには不必要と思われる錯綜の仕方と相まって、小説の散漫化をきたしているようにも思われる。東野作品を読むのは久しぶりだが、こんなものだったかな。2018/05/04
ehirano1
594
プロローグが衝撃過ぎて(否、秀逸過ぎるのかもしれません)、この先一体どうなるのかと一気にのめり込みました。一見バラバラとも思え、且つ数世代に渡る事項を徐々に興味深く繋げていく著者の筆力に感服しました。また、老いも若きの各々が再生を伴う新しい一歩を踏み出す様がカッコよかったです。各々の前途に幸あれ、と願いたくなりました。2018/08/12
ノンケ女医長
453
その効果で、人を虜にしてしまう種。爽快感とともに、高い次元でいろんな感覚が研ぎ澄まされる。使用中に創作された楽曲で、たくさんの人が感動に包まれ、支持される。種の普及で社会が滅びるとして、自然界から放逐された黄色い朝顔。きっと著者は、違法薬物の使用と弊害を問いたくて、小説に仕上げたのかなと思った。沈鬱しきった世相がいつまで続くか分からない今、刹那性を求める人は多いはずで、違う角度から作品を再度、読むことができた。2023/04/07
つるちゃん0719
436
夢幻花がまさか黄色い朝顔の事は知りませんでした。 もし今も現在するなら新種のドラッグとして蔓延するかもしれないですね。2017/08/01
またおやぢ
395
東野圭吾氏の作品を読むのは久しぶり。パラパラと複数の物語や謎を撒き散らす辺りは彼の十八番。それらの話や謎の一つ一つは大変に興味深く、最終的には全ての物語が回収されることは判っていても、どの話がどう結びつき、謎がどう解決されるのか、或いは多数の登場人物(今回は特に多い印象)が、どのような役割をこなしつつ着地点に向かうのか興味津々。また東野氏ならではの科学的な知識や着想が知的好奇心をくすぐり...一気呵成のうちに読了。蒲生兄弟のどちらか(要介か蒼太)を主人公にしたミステリーシリーズの始まりを予感させる一冊。2016/06/11
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