出版社内容情報
兄弟にして刑事と検事。反目しあう二人の意地と信念が、数々の事件の意外な真相を解き明かす。京都を舞台とした連作ミステリー小説。
内容説明
刑事だった父は、本当に冤罪を生んだのか―。京都府警捜査一課の川上祐介は、妻を殺したと自白しながら、黙秘に転じた被疑者に手を焼いていた。そこへ、京都地検から「不起訴」の連絡が届く。それを決めた担当検事は、父が違法捜査を疑われて失職した際に別の家の養子となった弟の真佐人だった。不起訴に怒る祐介に、真佐人は意外な一言を返す。刑事と検事の信念がぶつかる連作ミステリー。文庫書き下ろし。
著者等紹介
大門剛明[ダイモンタケアキ]
1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。2009年『雪冤』で第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞をW受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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しんたろー
194
大門さんのシリーズなので読んでみた…京都を舞台に刑事の兄・祐介が主役として捜査する過程で、幼い頃に離れ離れになった弟・真佐人が検事として事件に介入する連作短編が5話…期待が大きかったからか薄味に感じた。『雪冤』や『完全無罪』のような読み応えある社会派ではないし『この雨が上がる頃』のようなキレある短編でもないが「軽めの人情ミステリ」と割り切って読めば、そこそこ楽しめた。有名刑事だった父親が起こしてしまった冤罪という縦軸が兄弟の関係性に影を落としているのが、シリーズとしてのキモだと思えるので、次巻も読みたい♬2020/08/22
シナモン
168
購入本。テレビドラマ化本。違法な取り調べの末に自白を引き出し、冤罪を生んだとして失職した父。真相を語らぬまま亡くなり、幼い兄弟は別々に暮らすことに。21年の時を経て兄は熱血刑事、弟はクールなエリート検事として再会を果たす。自白にスポットを当てた事件を巡る二人のやりとりはさながら不協和音のよう。だが根底では父の疑惑を晴らしたいという共通の思いが。私も真相が知りたい。ドラマでは兄を田中圭、弟を中村倫也さんが好演されていた。しかし弟検事、頭切れすぎ!2020/03/18
いつでも母さん
123
これはシリーズ化ですね!兄ちゃんガンバレ!まずは弟がリードしてますが(弟が好み・・笑)父親の名誉挽回はいつになるんだろ。あの弁護士と恋愛模様に発展するのだろうな、きっと。しかし、京都が設定、なにか意味が潜んでいるのだろうか?いや、面白いのだが。あまり間を置かずに次を所望したい。2016/04/12
モルク
114
刑事だった父は自白をとる名手だった。しかし服役中の男が無理やり自白させられたといい冤罪が成立する。それ以来違法捜査まがいを大八木操作法と呼ぶほど父は評判を落とす。父の死後残された兄弟は、兄が母方の祖父母の元に、弟は父の知人の検事の養子となる。そして21年後、兄弟は刑事と検事として再会する。熱血漢で純な兄とクールで賢明な弟。このふたりがタッグを組むわけではないが、弟が兄に助言し何かと絡む短編集。弁護士の実桜が煩くて苦手だけど、どの話もうまくできていておもしろい。シリーズ化しているので、次も是非読みたい!2021/12/23
nyanco
80
名刑事と言われながら「冤罪」を生んだ刑事。 その刑事の息子、二人。 父と同じ職業を選んだ長男と、検事になった次男。 事件から時を経て二人が出会う、父は本当に冤罪を生んだのか。 対立しながらも、真実を求める、という意識が同じ彼らの物語。 まだ始まったばかりという感じで、これはシリーズ化かな? 関西弁のお姉ちゃん弁護士・実桜、かなりインパクトがあるキャラクターです。 彼女サイドの物語も読みたいなぁ。 リンクした別シリーズがあったらいいのになぁ。2016/05/20
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