出版社内容情報
人と人との間にはよく情が通じ、人と自然の間にもよく情が通じます。これが日本人です――憂国の数学者が日本人に伝え残したこととは。
【著者紹介】
数学者
内容説明
世界的な天才数学者、岡潔。自然と共に生きてきた日本人の中にある「情緒」の重要性を訴え、日本の未来に警鐘を鳴らす作品を数多く発表した。本書は、数ある著書の中から岡潔の一貫した主張が込められた言葉を集めた箴言集。日本人の情緒とは。日本民族、教育…岡潔が遺した珠玉の言葉の数々。
目次
第1章 情緒と日本人
第2章 日本民族
第3章 数学と芸術と文学と
第4章 教育
付章 松下幸之助との対話
著者等紹介
岡潔[オカキヨシ]
1901年、大阪市生まれ。1922年に京都帝国大学物理学科入学、数学科に転科、同大を卒業する。1929年、28歳でフランスに留学、帰国後、広島文理科大学助教授。教授職を辞してからは、純正数学の研究に没頭し「多変数複素函数論」の分野における「三大問題」といわれる難題に解決を与え、世界的な数学者として認識される。1949年、奈良女子大学教授に就任。1960年、文化勲章受章。1963年に毎日出版文化賞受賞。1973年、勲一等瑞宝章受章。1978年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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双海(ふたみ)
20
こころの支えになる人を挙げよ、と言われたら・・・きっとその内の一人に岡博士を挙げると思います。本書は箴言集です。2015/04/09
roatsu
11
もっと早く手に取ればよかったと思う滋味あふれる言葉の数々。おっしゃっている内容は言を待たず、独特の言葉の紡ぎ方も印象深い。仕方のないことかもしれないが、刹那的で利己的な現代日本の生活が加速していくことは、長く培われてきた情緒を喪失して大切な持ち味をなくした民族になってしまうことにしか繋がらないのではと思ってしまう。2015/05/24
すしな
5
094.数学は心の学問なのだとか。良いとか悪いとかの判断を自我で判断しないで公平な目で見極めるためには、情緒が豊かでないといけないのかもしれませんね。自分が思ったことや感じたことを表すのは文学ですけど、心を1つの事象ととらえて客観的にみるというのは数学的なセンスが必要で、数式使わなくても何となくうまくいったとか行かないとかがわかる直観的なものが情緒なのかなという風に感じました。1回読んだだけではよくわからいところもあったのですが、自分の直観として座右の書にしたい内容でした。2018/11/04
放蕩長男
5
京都の名店、恵文社一乗寺店が妙に押していた、岡潔先生の箴言集です。久しぶりに立ち寄った際、気まぐれで買いました。彼は昭和時代の大数学者。晩年は思想啓蒙家としても活躍されたそうです。初めてその言葉に触れた訳ですが・・・なんじゃこりゃ?というのが正直な感想です。何度か再読するつもりではいますが、共感も納得もさっぱりできません。巻末の対談で、岡氏は「学生と話をしても通じないのは、あの人たちの脳波の形がおかしいからだと思う」と言っていますが、おかしいのは私なのか、それとも・・・2016/02/25
りん
4
ほう!…と思えたのはほんの数か所。私には何やら難解であった。巻末の松下幸之助さんとの対談は面白かった。予定調和のなあなあな同調で済ませる気の全くない姿勢が。2018/06/04