出版社内容情報
刑事くずれの探偵・鬼束啓一郎は、謎の殺し屋“ミスター”を追ううちに、裏社会の抗争に巻き込まれていく。ハードボイルド小説の傑作。
【著者紹介】
作家
内容説明
息子と妻を喪い、警察を追われて荒れた生活を送る鬼束は、仁科英雄・大樹というヤクザの兄弟から、謎の殺し屋「ミスター」を捜す仕事を請け負う。鬼束らは「ミスター」に繋がる安城の過去を探ることで殺し屋の正体に迫るが、同時に裏社会の根深い抗争に巻き込まれていく。「ミスター」を追いながら、その手で自らの命が奪われることを望む鬼束。そして訪れた絶体絶命の窮地…。闇に沈んだその心に救いはあるか。魂の絶望と再生を描く傑作長編。
著者等紹介
香納諒一[カノウリョウイチ]
1963年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務のかたわら、91年「ハミングで二番まで」で第13回小説推理新人賞を受賞。92年に『時よ夜の海に瞑れ』(祥伝社)で長編デビュー。99年には『幻の女』(角川書店)で第52回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aquamarine
76
新刊が気になっていたら、同じ元刑事で探偵の鬼塚が出る作品があると知り、まずこちらを手に取りました。最初のページで彼は、車中でいきなり頭から血と脳漿をぶっかけられるという凄いスタート。でも、573ページの厚さを一気に読ませるだけのスピード感があり、全体としてはその手の痛みは少なめです。謎の殺し屋「ミスター」を捜すという依頼で進む話は、事件や組の暗部よりむしろ、雇われた組長と息子たちの愛憎や彼自身の過去や事情など事件以外の背景が心を打ち、ハードボイルドというより人間模様を堪能しました。新刊も読もうと思います。2018/09/21
mazda
17
大作の割にはスピード感抜群、そんな感じの作品です。何となく新宿鮫っぽい雰囲気のある、ハードボイルドなタッチに引き込まれます。2016/07/05
あや
16
長さを感じさせないスピード感で面白かった!ラストが良かったので継ぎに期待してます。2014/10/04
尾塚
7
面白かった!これぞハードボイルド小説といった感じでした。元刑事で今は私立探偵の鬼束。暴力団の組長の次男から長男を殺した犯人探しを依頼。手掛かりと思われた男を誤って殺害。だがだがその男の正体が分からずに。途中に謎の詩集が出てきたり、謎が満載。長編ですが全く長さは気になりませんでした。話もスピーディーで、最後まで飽きずに読み終えました。2014/12/21
だいゆー
6
すべてを喪い、死を願っていた元刑事が、生きることを選ぶ。それを取り巻く人々も変わっていく…。2014/09/30