出版社内容情報
「ふね屋」に化物が現れた。娘おりんが屋敷にまつわる因縁を解き明かしていくと……。宮部ワールド満載の時代サスペンス・ファンタジー。
【著者紹介】
作家
内容説明
おりんの両親が江戸深川に開いた料理屋「ふね屋」に、抜き身の刀が現れ、暴れ出す。成仏できずにいる亡者・おどろ髪の仕業だった。その姿を見ることができたのは、おりんただ一人。しかもこの屋敷には、おどろ髪以外にも亡者が住み着いていた。調べていくうちに、三十年前の忌まわしい事件が浮かび上がり…。人間の心に巣食う闇を見つめつつ成長していくおりんの健気さが胸に迫る。怖く、切なく、心に沁みる物語。
著者等紹介
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年(昭和35年)、東京都生まれ。87年、「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。92年、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞、93年、『火車』で山本周五郎賞、97年、『蒲生邸事件』で日本SF大賞、99年、『理由』で直木賞、2007年、『名もなき毒』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
71
優しくて切ない物語でした。おりんの前には色々なお化けが現れます。様々な騒動が起きる中で、成仏させようと奮闘するおりん。幽霊たちからはあたたかさを感じました。人の心に巣食う闇を見つめながら成長していくおりんが愛しかったです。終盤、お梅がどれだけおりんを羨んでいたかがわかります。それでも憎めないのはお梅の優しさでしょう。人の心の醜さを知っても純粋さを失わないおりん。どれだけまわりに大切にされているかを知ったからきっと幸せになれるんだろうなと思いました。2014/12/25
ポチ
57
料理屋の娘・おりんがお化けさん達と心を通わせながら成長していく。大変面白く680頁も気にならない物語。おりんの人の闇を目の当たりにしても健気に立ち向かっていく姿に胸が少し熱くなりました。2018/08/25
ガチャ
47
時代もののお話しで、更にお化けが出るお話し!! 良いお化けもいれば、悪いお化けもいて、主人公のおりんが勇敢に奮闘します。10歳なのにと思うのは、大人だけかな。 おりんは、お化けさんのおかげで、お化けさんは、おりんのおかげで、救われ成長できたんですね☆☆ 温かいお話しでした。2016/11/15
nico🐬波待ち中
45
江戸の料理屋の一人娘おりん(12歳)は、あることがキッカケで料理屋に古くから住む5人のお化けが見えるようになる。5人のお化けが見えて会話できるのは何故かおりんのみ。個性的な5人のお化け達は果たして無事に三途の川を渡り、成仏できるのだろうか……。賢く周りの人達(お化け含む)から愛されるおりんの周りで次々に起こる不思議な出来事の謎を追う。ファンタジーあり、江戸の人情あり、おりんのお父ちゃんが創るご馳走ありの、色々な要素が詰まったエンターテイメント性のある、心温まる物語だった。こんなお化けなら逢ってみたいかも。2016/01/08
onasu
40
要らぬ心配をしていたのは、おりんの両親が開いた料理屋「ふね屋」の経営。祖父が当座の金主とはいえ、立て続けに座敷で亡者騒ぎでは、噂もそうだが、修繕代だってばかにならない。 次いでは、おりんの「見える」ことが、どう繋がっていくのかが中々明かされないこと(母と階段下に潜むところは好きだけど)。 「あかんべえ」をするお梅、隣家の貧乏旗本、差配宅のヒネ勝が絡んでこないのにもやきもきしたが、亡者を使って人の業をあぶり出す辺りは流石。 そして、宮部さんの作で、こんな読み漏らしがあったのが、最たる嬉しい誤算でした。2019/05/04