出版社内容情報
「敗れるはずのない者」がなぜ敗れたのか? 強大な戦国大名の“政治力”が失われる過程から、リーダーが犯しがちな失敗の本質を学ぶ!
【著者紹介】
作家、政治史研究家
内容説明
名将と謳われた者、圧倒的な権威者、有能な二世、将来を嘱望された重臣…。戦国乱世の時代、本来「敗れるはずのなかった者」がなぜ敗れたのか?本書は、強大な大名の“政治力”が失われていく過程を考察し、現代にも通じるリーダーが犯しがちな失敗の教訓を学ぶ。「武田勝頼の致命傷」「織田家臣団の有能ゆえの危険な未来」など、彼らが天下を取れなかった理由がここにある!文庫書き下ろし。
目次
第1章 武田勝頼の致命傷
第2章 足利義昭のしぶとい首
第3章 織田家臣団の有能ゆえの危険な未来
第4章 あり得なかった関ヶ原合戦の計算違い
第5章 なぜ秀頼は豊臣家を守れなかったのか
終章 政治力はいかにしてでき、いかにして失うか
著者等紹介
瀧澤中[タキザワアタル]
1965年、東京都生まれ。作家・政治史研究家。駒澤大学法学部上條末夫研究室卒。2010~2013年、経団連・21世紀政策研究所「日本政治タスクフォース」委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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藤萌のまったり本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
125
歴史好きの私には堪らない1冊。戦国時代に必要な個人の政治力として、体力・気力の充実と、人気・信頼感を指摘し、武田勝頼や柴田勝家、豊臣秀頼らの敗因を分析していく。武田勝頼の戦勝で権威を保つ必要性と、北条との同盟破棄という失策。長篠で将校を多数失うが錬成も引抜きも出来ず軍の弱体化に繋がる現実。曖昧な決意で西軍の将帥となり、領地の大部分を失った毛利輝元。大東亜戦争の終戦や、現代の政治、会社組織にも繋がる。リーダーは状況を把握を把握し、断固とした勇気を持ち動く。周囲への気配りも大事。だからこそ人の上に立てるのだ。2015/09/19
mazda
34
関ヶ原における徳川家康と石田三成の戦いに関して、東軍が勝つにいたった理由として、それそれについた武将たちの心理的なものがあるということであった。つまり、東軍の場合「家康」についたのであって、西軍は「豊臣がバックにいる石田」についたということで、石田三成そのものに全身全霊ついていくことはない、というロジックでした。確かにそういう一面はあっただろうな、と思います。真田家は反徳川で戦ってきましたが、それが彼らにとって不幸だったのかも知れません。今日の国防を考える上でも、なかなか興味深い内容です。2015/09/29
金吾
21
4つの事象等の何故を政治力のフィルターを咬ましながら書いてます。平易でわかりやすいですし、近代に対比しているのもイメージアップがしやすいと感じました。信長包囲網をこうすればいいとの話は当時の状況からして机上の空論かなと思いました。2024/02/16
maito/まいと
18
日本の戦国時代、なぜ‘彼ら’は滅びの道を進んでしまったのか?よくあるリーダーの能力に理由を求めるのではなく、配下(スタッフ)や組織に焦点を当て、本当の滅んだ原因を探っていく一冊。武田・足利(義昭)・柴田勝家・関ヶ原での西軍・そして豊臣家を取り上げており、状況の分析はもちろん、歴史研究ではタブーとされている「if」にも挑み、滅亡につながった事項での他選択肢を検討していく箇所もある。著者の思いも色々込められており、ただの読み物としてだけではなく、リアルな教訓としても読み進められる、厚みのある内容だ。2014/06/06
岡本
15
武田勝頼、足利義昭、石田三成、柴田勝家、豊臣秀頼などの戦国時代の敗者として書かれる武将達を研究・分析した一冊。単に歴史書ではなく現代や近現代の状況や人物と照らし合わせる事で自分自身の身のこなし方を学ぶ事も出来る内容です。副題にもある通り政治力の部分に重点を置いているので戦国時代の政治を知る事も出来ますね。2014/09/18