出版社内容情報
バラバラになった家族が「家族」を演じることで家族に戻れるのか? 集められた役者は全員家族!? 特異な設定のもと、撮影が始まる!
【著者紹介】
小説家
内容説明
日本映画界を支えてきた名優・笠松市朗は、ろくでなしだった。そのせいで、家族は崩壊した。その笠松の最後の映画撮影がはじまった。共演者は別れた妻と息子、後妻の息子と彼の恋人、みな、かつて笠松が愛した家族だった。ひとつ屋根の下、それぞれが役者としての矜持を胸に秘め、父でもある笠松とカメラの前に立つ。彼らは「家族を演じる」ことで、再び家族に戻れるのか―。虚と実の交錯する物語の幕が開く。
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむpulp‐town fiction』で第29回メフィスト賞を受賞し、翌年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たるき( ´ ▽ ` )ノ
66
じんわりと優しさが感じられるような内容だった。演技をしているのか、それとも素なのか、感情が複雑に絡んでいて引き込まれた。小路さんの作品のあったかさには、いつも癒される♪2014/05/28
たるき( ´ ▽ ` )ノ
47
再読。何がリアルで何が演技なのか、こんがらがってしまいそうだった。このシャシンのおかげで、歪な家族が共に過ごすことができて良かったと思う。何が爆弾なのかが気になりすぎて、そわそわした気持ちで読んでしまった(^^;)2018/01/25
yu
44
本当の家族でありながら、家族を演じる5人。 ありふれた日常での出来事が、たんたんとカメラにおさめられていく。役者であるということは、素を表すことが難しいものだと感じた。どこからが演技でどこからが素なのか。役者同志であり、家族でもある彼らの駆け引きが面白かった。 小路さんの描く「家族」は、いつもどこかイビツではあるけれど、そこには暖かさが溢れていてうらやましく思ってしまう。 父親である笠松さんも、きっと満足して旅立ったのではないだろうか。2013/12/08
coolgang1957
41
観たいよー(^.^)この話が映画になったとこ(^^♪でも一本だけに編集できるんかなぁ(^_^;)もしかして俳優分だけの数にならないですか? 誰が監督するんでしょうか、楽しみです。あと、睦子さんに~今は 北野武監督や松本人志監督とか明るすぎない映画を撮る人も居るからエエ映画になると思います~ ただ出来上がったら禁煙協会(こんなんあるのかは知らんけど笑)がいちゃもん付けへんかが心配(^_^;) ………誰か映画にして~~(笑)2013/11/27
佐島楓
29
老名優とその「家族」たちは、一本の映画を撮るために集まる。共同生活の中で明かされる秘密とは・・・。俳優とは業の深い職業だなと思う。演技と日常が溶け合う、それはどこまでが芝居なのか・・・。家族のかたちについても考えさせられる。言外にあるさまざまな感情を抱えつつ、ともに生きる家族。血がつながらなくても、一緒に暮らせなくとも、家族は家族でいられるのか。さらっと書かれているように見えて、奥が深い。ちょっと、怖いくらいに。2014/02/10