出版社内容情報
思い出は人を幸せにも不幸にもする――京都府警元刑事が始めた「思い出探偵社」をめぐる、切なくて懐かしいハートフルミステリ第二弾。
【著者紹介】
作家
内容説明
遊園地に残されたカメラ、撮影現場から失踪した斬られ役、喫茶コーナーで倒れた記憶喪失の男―わずかな手がかりから人生の謎を解き明かし、ねじれた過去を修復するのが思い出探偵社の仕事。京都府警の刑事だった実相浩二郎、元看護師の一ノ瀬由美、かつて両親を惨殺され心に傷を抱える橘佳菜子に、新メンバーを加えた探偵社の面々が繰り広げるハートフル・ミステリ第二弾。
著者等紹介
鏑木蓮[カブラギレン]
1961年、京都市生まれ。塾講師、教材出版社、広告代理店勤務を経て、1992年、コピーライターとして独立する。2004年、立教学院・立教大学が「江戸川乱歩と大衆の20世紀展」を記念して創設した第1回立教・池袋ふくろう文芸賞を、短編ミステリー「黒い鶴」で受賞する。06年、『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。12年より、佛教大学文学部非常勤講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
39
親が子に残す思い出、子が親に与える思い出。哀しければ余計に幸せだった頃の思い出が胸に刺さる。苦労した分幸せになる権利はあるが、記憶を喪失してしまったら思い出より自分探しに周りが翻弄される。自身の哀しさを励ます為に人を励ます探偵達。人に寄り添うことで自分を磨く。三千代と佳奈子の成長に対して、由美の心に忍ばせた恋心が鬱積してる様が哀しい。それより依頼者の男たちの軟弱さにイラっときた。・・爺様もその口だからかも^_^;2015/06/22
momi
39
人の心に寄り添い…思い出を捜す「探偵社」シリーズ第二弾!!第一弾の2年後の設定です!「由美」が探偵なのにテレビに出演するようになり、納得できない始まり方だけど、第一弾より全体的に味わいがでて私はこちらの方が好きです…。新メンバーの医師免許を持つ「真」も心に問題を抱えているのだが、そのことが「思い出探偵」に必要な資質の一つだなんて…。かわいそう…。今回の依頼の中では「大芝居を打つ男」が良い話でした!長年斬られ役一筋の俳優をこえる演技をみせた父親…。京都の撮影現場の雰囲気が手に取るように伝わってきました!2015/03/16
ぶんぶん
21
【図書館】「思い出探偵」の二巻目、小さな手掛かりから結論を見出す浩二郎たちの活躍を描く。 だんだん説教臭くなり純粋に過去を探す旅から逸脱している感じもするが、この路線で行くのだろう。 遊園地のフィルム付カメラ、現場から逃走した斬られ役、百貨店の喫茶コーナーで倒れた記憶創出の男、果たしてどう流れて行くのだろうか。 三者三様の考え方があり、どれが正解なのだろう。役者の雄高の代わりに医師免許を持つ真が入って来たが、チームワークはバラバラ、どうなる「思い出探偵グループ」。このグループ、そろそろしんどくなって来た。2023/04/14
サルビア
15
思い出探偵の2巻目です。どうも逆から3巻から読んでしまったので、登場人物が時系列を逆に遡って読んだのでちょっと読みにくかったです。佳菜子と真が良いコンビになりそうだなぁと思いながら読みました。思い出探偵が探すのは歌声喫茶に集っていたなかまともう一度会って一緒に歌いたいと願う初老の男性。交通事故に遭って記憶を無くした中年の男性の身元を探す旅。特に記憶を無くした男性を思う女性の気持ちが切ない。2023/06/27
igaiga
14
2作目のみ再読。こうして読んでみると懐かしくもあり「あぁ・・・そうだった」と思うところもあって・・・・。人を探すという行動はある時には探される方には迷惑なこともあってね。特に昔を美化している場合は面倒だなぁーと上条某さんを想像しながら書いてます。2025/05/19