特攻とは何だったのか―日本人として忘れてはいけないこと

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  • サイズ B6判/ページ数 259p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569708119
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0030

出版社内容情報

犬死にか、英霊か? 特攻の意味を追究した書。

玉砕戦法に理はあったか? 志願兵は何のために命を捨てたのか? 責任を取った者はいたか? 日本人の精神構造に切り込む異色対談。

先の太平洋戦争における特攻隊員の戦死者数は1万4千余といわれる。しかも、ほとんどが前途有為な青年たちで、予備学生や少年飛行兵もたくさんいた。一方で、特攻を命じた指揮官たちは、自ら手本を示して散華した有馬正文少将、特攻生みの親といわれる大西瀧治郎中将の自決、最後の特攻に向かった宇垣纏中将などの例はあるものの、戦後に生き残った者が圧倒的に多い。

▼本書は、特攻の成り立ち(フェーズ1)から、絶望的な作戦指導(フェーズ4)までを時系列に追いながら、日本軍の無為無策ぶりを分析するもの。その通底に流れるのは、特攻に殉じた若者たちの「思い」をいかに現代に引き継ぐか、である。

▼なぜ彼らは出撃前に「笑顔」に至れたのか、誰が少年兵を死地に向かわせたのか、特攻反対論に耳を貸さない空気はいかにして生まれたのか……特攻は決して過去の職業軍人が犯した罪ではない。さまざまな教訓が詰まった一冊。

●まえがき ――堀 紘一 
●序章 何のための戦争だったのか 
●第一章 フェーズ1「偶発的、自発的な時代」 
●第二章 フェーズ2「強制命令の時代」 
●第三章 フェーズ3「供物と化した時代」 
●第四章 フェーズ4「統率なき時代」 
●終章 我らがオペラとして遺す意味 
●あとがき ――三枝成彰 
●主な参考文献  

内容説明

「志願」か、「強制」か。「英霊」か、「犬死に」か。オペラ『特攻』の上演に取り組む2人が、先の戦争で亡くなった人たちの「思い」をいかに引き継ぐかを語り合った白熱対談。

目次

序章 何のための戦争だったのか
第1章 フェーズ1「偶発的、自発的な時代」
第2章 フェーズ2「強制命令の時代」
第3章 フェーズ3「供物と化した時代」
第4章 フェーズ4「統率なき時代」
終章 我らがオペラとして遺す意味

著者等紹介

三枝成彰[サエグサシゲアキ]
作曲家。東京音楽大学教授。1942年、兵庫県生まれ。東京芸術大学音楽学部卒業。代表作として、オラトリオ『ヤマトタケル』、オペラ『千の記憶の物語』、ヴァイオリン協奏曲『雪に蔽われた伝説』、『レクイエム~曾野綾子のリブレットによる』、『太鼓について―太鼓協奏曲』、カンタータ『天涯』等の作品がある。映画音楽では『優駿ORACION』『お引越し』『MISTY』等、テレビ番組の音楽では、NHK大河ドラマ『太平記』『花の乱』等、多数の作品を手がけている

堀紘一[ホリコウイチ]
ドリームインキュベータ代表取締役会長。1945年、兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業後、読売新聞経済部を経て、1973年から三菱商事に勤務。ハーバードビジネススクールでMBA with High Distinction(Baker Scholar)を取得後、ボストンコンサルティンググループで国内外の一流企業の経営戦略策定を支援する。1989年より同社代表取締役社長。2000年6月、ベンチャー企業の支援・コンサルティングを行うドリームインキュベータを設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佳乃

31
特攻とは死に急ぐばかりで「犬死」だろう。だが、当時の空気間には「行きたくはありません」とはいえないものがあり。上官は「俺も後で行く」といいながら若い下士官ばかり、むろん終戦後ものうのうと生きる。生きることも大変だろうが、若い者がこれからの日本を作っていくとは思わないのだろうか。頭ばかり固いものが残り、「帝国日本がまけるわけがない」と、まして、特攻の責任も大西瀧治郎さん一人に押し付けたかたちではないか。お国のためといいながら責任逃れは当時としては日本男児らしくない。命欲しさに逃げたとしか見えない。2017/09/07

金吾

22
すでに発表されている著作を引用しながら、特攻の時期を区分して考えを述べています。たくさん引用されている山岡荘八さんと保阪正康さんの時代のバックボーンからくる事象の捉え方の違いが印象に残りました。また目的を忘れ無責任体質のまま戦争を継続したことへの批判には同意しますが、現代もそうではないのかなと思いました。2021/09/06

bookbossam2013

3
特攻隊員戦死者数 海軍(4,156名)陸軍(1,689名)特攻作戦関連戦没者(8,164名) 合計14,009名[特別攻撃隊全史・特攻隊慰霊顕彰会]・・・「志願」か、「強制」か。「英霊」か、「犬死に」か。山岡壮八『小説太平洋戦争』を軸に、保坂正康『「特攻」と日本人」』他を絡ませ、当時の特攻隊員の心情を作曲家・三枝成彰と企業家・堀紘一が対談を通して分析する。現代の官僚組織にも通じる旧軍の無能な将軍達の戦略性の欠如と日本人特有の「空気」が、最後には戦略上の目的と手段が倒錯した特攻作戦に駆り立てた責任を糾弾。2014/01/31

co1024

1
無責任な命令だけした戦略のない軍幹部を批判し、特攻の目的を時代/状況にわけて考察している。あとがきに記載ある、今でも日本はどこか全体主義的な風潮があり、同じ意見を求め、同じ流れに乗ることに慣れてしまっているという指摘に共感でき、戦時中も特攻で散華することに対しても文句を言いづらく、その死を美化してしまっていたんだろうなと納得した。2016/03/12

Yuko Kimura

1
特攻という行いを、賛美賞賛するのでもなく、異常な自殺テロと片付けるのでもなく、十数種の参考文献を元に、様々な地位や立場の散った命の思いを汲み取ろうとする。オペラ作家と経営戦略者という二極の筆者の掛け合い。本書を読んだ後も「特攻とは?」の答えを自分では出せなかった。それだけ色々な意味で心が痛むほど奥深い。「永遠の0」のモデルとなる事実が随所に書かれている。2014/03/14

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