出版社内容情報
満州事変をドラマティックに描く歴史小説。
陸軍が満州事変を起こすまでの道程を、事実に基づく大胆な推論をまじえ、ドラマティックに描き上げる。当時の空気を伝える、力作小説。
第一次世界大戦で800万人もの兵士が倒れ、400万人の市民が犠牲になった。そのあまりの甚大な被害に世界は驚愕し、近代戦争を避けるために国際連盟をつくった。しかし日本軍部は、平和を模索する世界の潮流に反して、1931(昭和6)年、満州事変を起こし、1932年に満州国を設立する。これに対し国際連盟はリットン調査団を派遣、日本の行動を不当としたが、日本は国際連盟を脱退し、太平洋戦争へと突き進んでいったのである。
▼満州事変は、軍部(関東軍)が独断で起こした国際紛争である。政府の「不拡大方針」があったにもかかわらず、なぜ軍部はこれを無視して満州事変を起こすに到ったのか? なぜ政府は、世論は、それを認めてしまったのか? 本書は、当時の軍部の状況、社会情勢の分析を土台に、大胆な推論をまじえて、満州事変の全体像を描き出す小説である。
[一]日米最終戦争をめざそう! ~石原莞爾少佐の口演
[二]満蒙を取る ~東条英機中佐の判決
[三]北伐軍は満洲へは断じて入れない ~田中義一総理の決断
[四]適当にして有効なる措置を ~田中義一総理の最終警告
[五]満蒙に自治連省を設立すべし ~斉藤恒少将の満蒙ビジョン
[六]張作霖の一人や二人ぐらい ~河本大作大佐の固き信念
[七]父のカタキは必ずとる ~張学良、心中の誓い
[八]満蒙に王道政治を ~大川周明、張学良に迫る
[九]満洲をごっそり頂戴します ~石原莞爾の揚言
[一〇]よろしく覚悟せよ ~林久治郎奉天総領事、張学良に捨てゼリフ
[一一]満蒙問題の解決に重点を置く ~一夕会(双葉会と木曜会が合流)の決意表明
[一二]政治と大企業は日本人だけで ~石原莞爾中佐の満蒙統治案
[一三]日米決戦に勝って世界を統一 ~石原参謀、参謀本部作戦部長畑俊六少将の面前で講和
[一四]支那の指導者となり、東洋に平和を ~関東軍高級参謀板垣征四郎大佐の大講演
[一五]うまくやれるならやれ~参謀本部作戦部長建川美次少将のけしかけ
[一六]統帥権に容喙するものは容赦しない ~花谷正少佐、軍刀を抜き、森島守人領事を威嚇
[一七]不拡大方針と連盟が吹っ飛ぶさ ~石原莞爾参謀、錦州を爆撃
[一八]上海で事件を起こせ ~板垣征四郎大佐、田中隆吉少佐に指令
[一九]国が焦土と化すも満州国を承認 ~内田康哉外相の答弁
内容説明
世界的不況、政治の大混乱、“物言う軍人”の登場。約80年前、同じような状況下で起きたのが満州事変であった!戦争へと突き進んだ時代の日本の姿を克明に描く書下ろし長編小説。
著者等紹介
森悠也[モリユウヤ]
1942年、満州国・奉天(現遼寧省瀋陽)生まれ。中央大学経済学部卒業。週刊誌・月刊誌などの記者を経た後、太平洋戦争研究会に所属。戦史に関する著作を多数著す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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