出版社内容情報
先が読めない人生を選んだ著者の、先を読まずに本質を突く時評。
月刊誌『Voice』で2002年からはじまった好評長期連載「解剖学者の眼」を完全収録した時評集。石油問題、自衛隊のイラク派兵、靖国参拝、振り込め詐欺、オリンピック・・・。日本のこの7年を振り返りつつ、普遍的な視座を提案する。
▼著者はあまり言葉を信用していない。言葉を読み過ぎず、先を読まず、解剖学者の眼で世の中を見つめ、静かに考える。すると現代日本人が気づかない、人間社会を取り巻くシステムが立ち現れる。たとえば、著者は本書で以下の意味のことを述べている。「秩序は同量の無秩序と引き換えでないと手に入らない。文明とは秩序であり、秩序を構築する過程で同量の無秩序を生み出している。それが炭酸ガス問題、環境問題の本質である。代替エネルギーもどうせ同じことであり、どこかにエントロピーを増やしてしまう」。日本人がこれからどう行動するかを考える上で、無視できない指摘ではないだろうか。
内容説明
「言葉は意識の産物である。現代は意識優先、つまり脳化社会で、だから情報化社会になる。人生は『意識のみ』になってしまった」…。著者はあまり言葉を信用していない。言葉を読み過ぎず、解剖学者の眼で世の中を見つめ、静かに考える。すると現代日本人が気づかない、人間社会を取り巻くシステムが立ち現れる。本書は二〇〇二年以降の日本と世界を論じた時評集。石油問題、自衛隊のイラク派兵、靖国参拝、振り込め詐欺、オリンピック…。日本人がいかに行動すべきかを考える上で示唆に富む一冊。
目次
第1章 石油と文明
第2章 社会と世間
第3章 都市と環境
第4章 政治と政治家
第5章 世界と日本
第6章 人間と人生
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年、鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。95年、東京大学医学部教授を退官し、同大学名誉教授に。89年、『からだの見方』(筑摩書房)でサントリー学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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