出版社内容情報
孔孟の仁の教えに対し、人間不信の哲学を貫いた韓非――人間の本質を見据えた統率論の原点ともいえる名著から、名言を厳選して新訳。
秦の始皇帝に「これを書いた者に会えたら死んでもいい」とまで言われ、熱愛された異端の書、『韓非子』。以来、儒家による仁の教えを役に立たないものとして批判し、徹底した法術主義による冷徹な統治を説いたその書は、中国の為政者たちに密かに読み継がれてきた。儒教は体制維持の上では極めて都合のいい学問だと言われているが、為政者にとっては『韓非子』の方が現実的に役立つと思われる内容を持っているし、実際に読まれてきただろうと言われている。『三国志』の英雄、諸葛孔明も劉備の子劉禅に『韓非子』を筆写して献上したと言う。本書は、「矛盾」「株を守る」など豊かな比喩のあふれる『韓非子』の中から、名言を厳選し、書き下し文と現代語訳を付して分かりやすく解説したものである。弱肉強食の過酷な生き残り競争の中、理論面で中国初の天下統一に大きく貢献した韓非の主張から、現代の競争社会を生き抜く知恵を学ぶ。
●――百言――
[1]知っていて言わないのは死罪
[2]戦う前に点検すべき三点
[3]賞罰を口にするだけでは駄目
[4]秦が史上初の天下統一をなしとげた理由
[5]圧勝していても手を抜くな
[6]身を慎まなければ破滅
[7]戦争は本来避けるべきもの
[8]相手を見て言わないと
[9]人間はあまり信用できない
[10]自分の富は自分で築け 他
●――百話――
[101]狡兎尽くれば良犬烹らる
[102]進言する際のむずかしさとは
[103]相手の反応を途中ですばやく読む
[104]ひとりよがりになるのを避けるため
[105]孔子や管仲も殺されそうになった
[106]上下関係の理想的なありかた
[107]いかに権勢や地位が重要か
[108]天の時、人の心には逆らうな
[109]功なり名とげる条件
[110]一寸でも先が知りたいが 他
内容説明
秦の始皇帝をして、「これを書いた者に会えたら死んでもいい」とさえ言わしめた異端の思想には、徹底した人間観察に基づく、厳しい現実社会を勝ち抜くための知恵が秘められている。
目次
百言(知っていて言わないのは死罪;戦う前に点検すべき三点;賞罰を口にするだけでは駄目;秦が史上初の天下統一をなしとげた理由;圧勝していても手を抜くな ほか)
百話(狡兎尽くれば良犬烹らる;進言する際のむずかしさとは;相手の反応を途中ですばやく読む;ひとりよがりになるのを避けるため;孔子や管仲も殺されそうになった ほか)
著者等紹介
西野広祥[ニシノヒロヨシ]
昭和10年、東京生まれ。東京都立大学中国文学科博士課程修了。慶應義塾大学教授、東北公益文科大学教授を歴任。2006年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ATS
星野紗奈
Shingo Otsuka
寝なきゃ
ブラタン