内容説明
宮家に生まれ、大名家に嫁ぎ、戦前・戦中・戦後を生き抜いた明治天皇の孫・紀久子の生涯。
目次
第1章 皇族に生まれて(激動の世の波にもまれて;朝香宮紀久子女王の誕生 ほか)
第2章 侯爵家に嫁いで(紀久子の結婚;嫁ぎ先の鍋島家 ほか)
第3章 侯爵家の四季(初春の楽しみ;鬼やらいに歴史あり ほか)
第4章 戦火の下で(海軍の叔父ちゃま;大正天皇も行幸された大磯別邸 ほか)
第5章 戦後を生きる(終戦、滝原から大磯へ;一市井人となった母 ほか)
著者等紹介
北風倚子[キタカゼヨリコ]
昭和7年(1932)8月2日、肥前佐賀35万7千石の大名家・鍋島家の長女として生まれる。昭和24年(1949)のインターハイ走り幅跳びで優勝するなど、学生時代は陸上競技で活躍。現在は、北風隆行夫人として長野県蓼科に居を構え、声楽を趣味としている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おかむら
32
皇族朝香宮家(庭園美術館の)の長女で侯爵鍋島家(佐賀藩の大名)に嫁いだ紀久子。その生涯を娘が語る。激動の時代を生きた割には まあ、なんか一貫してずっーと経済的に余裕があるせいか、あんまり激動感がなかったかなー。戦争中長野に疎開した時も女中さん3名と執事も付いてくってとこが、やっぱりお金持ち! って感じ。2017/07/07
gtn
7
皇族、侯爵家であっても、正月は家族で雑煮を楽しみ、犬やウサギを飼い、戦争で身内を亡くし、年老い、認知症となり、娘との同居を拒み、静かに息を引き取る。平凡と言えば平凡だが、庶民と変わらぬ人の営みが伝わってくる。2019/02/11
若黎
6
図書館本。 空襲で邸宅が全焼した以外は激動感があまりないですねえ。戦後も一般家庭よりも豊かに生活していらしたようですし。ご親戚の伊都子妃の本のほうが、よほど激動の時代感がありましたよ。空襲と皇籍離脱の影響をまともに浴びていらしたし。梨本宮様まで戦犯とされましたからねえ。 それもと、影の部分はしらないか、単に伏せてあるだけなのかしらん。2023/07/15
あおい
2
図書館本。昭和天皇のいとこの元華族女性の生涯。9月になったけどあまりえぐくない終戦モノを…で探したが選べなかったのでこちらを…。鍋島家へ嫁した朝香宮家皇女の方、そのご長女さんによる亡き母の回想録。おたあさまの皇女さんはなかなか口が堅くていらっしゃるのでそのお嬢さんといえども聴いてないこと見てないこと言えないことなどもあるとも思われ、覚えてないと書かれていることが多い。逆に事細かに当時の様子が書かれているのが既読の梨本宮家へ嫁した夫親族の伊都子さんの著書、李王朝へ嫁した方子さんのエピと共にとても興味深い2022/09/02
Panda
1
東京都庭園美術館が好きで、朝香宮家の成り立ちや美術館になるまでの複雑な経過もいろいろな本で読みました。著者のお母さま、紀久子夫人は白金の邸宅が出来る前にお嫁に行かれたようですが、当時の華族の生活がよくわかりました。戦後、華族という制度がなくなり苦労したのでしょうが、過去を懐かしむことなく、ひたすら前を向いて生きてきたとありました。時代の変化に暮らしぶりも激変する中でも、「家族」を大切にしてきた紀久子夫人と、娘である著者の北風氏の思いが素敵だな~と思いました。2017/02/12