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ネットいじめ―ウェブ社会と終わりなき「キャラ戦争」

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  • サイズ 新書判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569701141
  • NDC分類 371.45
  • Cコード C0236

内容説明

インターネットはいじめの温床、匿名ゆえに陰湿な誹謗中傷の嵐。「子どもたちを守れ!」を合言葉に、ネットやケータイの使用規制が叫ばれる。はたしてこれで、いじめは減るのか?「学校裏サイト」を利用する子どもたちの生の声を分析すると、ネット空間は現実の人間関係の延長にあり、要は使う人間の質と環境が問題だとわかる。そしてそこには、空気を読まなければ叩かれる現代の若者事情が見え隠れする。学校でも、職場でも簡単に見えるようになった“陰口”。この息苦しさの正体が明らかになる。

目次

第1章 つくられた「学校裏サイト」不安(「みんなのもの」になったネットとケータイ;「みんな」のなかに入った子どもたち ほか)
第2章 学校勝手サイトの真実(「学校裏サイト」ではなく「学校勝手サイト」;牧歌的な書き込みが占める日常風景 ほか)
第3章 見えるようになった陰口―「ネットいじめ」はなぜ起きるのか?(「ネットいじめ」はネットのせいなのか;ネットによって可視化される陰口 ほか)
第4章 ネットいじめ時代と終わりなきキャラ戦争(学校文化とウェブ社会の遭遇;ケータイは自分を着飾るためのファッション ほか)
第5章 ウェブ・コミュニケーションの未来(「ウェブ社会」のほんとうの意味;物理的なゾーニングとは何か ほか)

著者等紹介

荻上チキ[オギウエチキ]
1981年生まれ。批評家、ブロガー。成城大学文芸学部卒業、東京大学大学院情報学環・学際情報学府修士課程修了。専門はメディア論、テクスト論。人文社会科学系を中心にネットで話題のニュースやトピックを紹介する人気サイト「トラカレ!」を主宰、政治哲学、社会学、文学、芸術など幅広い議論を展開する思想メールマガジン「αシノドス」編集長も務める(芹沢一也氏と共宰)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

林 一歩

32
匿名性による悪意の増長は、加害者側が無意識のうちに歯止めが効かなくなる怖さがあると思っていた。逆に、LINEといった閉じたグループ内でも同様の恐ろしさがあり、此方の方がより罪は重いだろう。最近、某掲示板で見かけた、特定個人に対するネットによる暴力が増長していく様をみて、性善説は無いなと思った次第。2013/08/07

金吾

31
匿名で発言の責任を取らなくていい立場では他人に対し攻撃性が増していくのだろうなあと感じました。見なければいいのでしょうが、つい見てしまう状態も理解できます。子供の頃、妖怪さとりの話を読んでさとりにだけはなりたくないと思いましたが、現代はネット等により誰しもがさとりになりうることにゾッとしました。2025/02/28

katoyann

22
2007年刊。学校裏サイトがいじめの温床になっているかのような、インターネットメディアを有害だとする言説に対して懐疑的な見解を示している。いじめの多くはローカルなコミュニティにおけるコミュニケーションの問題にその原因を求められることが多く、技術の進展がいじめの要因になっているかのような議論は誤りだとする。確かに利用規制やフィルタリングがネットいじめ対策に有効だという説は確立しておらず、旭川の事件のようにむしろ悪質化しているという現状がある。ローカルなコミュニティの構造変化に目を向けるべきという考察だ。2024/03/13

takeapple

10
「学校裏サイト」規制から始まるフィルタリングその他のネットは危ないから子どもに使わせないと言う言説を実際に「学校裏サイト」を多く見てきた著者が理路整然と論破したものである。今ではLineの登場、スマホの普及によって「学校裏サイト」やプロフをやる子どもも減っているのかな。でもいつの時代でも子どもは新しい文化への適応も早く、上手に使いこなすようになる。禁止ではなく、以下にうまく使い倒すかが大切なのだろう。2019/10/20

takizawa

5
本書では,「ネット=悪」というような単純図式への批判がなされている。もともと人はある程度のキャラの使い分けを行いつつも一貫性があるかのような振る舞いを必要としてきた。そこに登場した携帯やネットは,キャラ分けニーズを的確にサポートしてくれる。そして,学校空間でのキャラがweb上のツールを通じて簡単に温存され,ネットいじり,ネットいじめなどの形で可視化されるのだ。(pp.215-224)2010/03/24

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