内容説明
日本国憲法制定後六〇年が過ぎ、世間でも憲法改正を求める声が大きくなりつつある。ある経済団体のアンケートでは、じつに九〇%超のメンバーが改正に賛成と回答した。国際社会が自由と平和を堅持し、日本が近隣諸国から信頼・尊敬される国家となるためには、どのような国のかたちが望ましいのか―現行憲法のもとでは、石油シーレーンの安全確保のために自衛隊を派遣することすら困難なのである。海外でのビジネス経験も豊富な経済界のご意見番が、日本国憲法のあり方を問い直す。
目次
第1章 経済界の憲法論
第2章 繁栄・平和への取り組み
第3章 資源と安全の確保
第4章 明治憲法をどう考えるか
第5章 統帥権と軍部の暴走
第6章 日本国憲法制定への動き
第7章 第九条のもつ意味
第8章 憲法改正の動き
第9章 日本のかたちを考える
著者等紹介
高坂節三[コウサカセツゾウ]
1936年生まれ。1959年京都大学経済学部卒業。同年伊藤忠商事入社。伊藤忠アメリカ会社執行副社長、常務取締役中南米総支配人、本社常務取締役などを歴任の後、1995年栗田工業代表取締役に就任。1999年同取締役会長。その間、拓殖大学客員教授、外務省外務人事審議会委員、経済同友会幹事(諮問委員)、同憲法問題調査会委員長などを務め、現在はコンパス・プロバイダーズLLCゼネラル・マネジャー、東京都教育委員。父は哲学者・高坂正顕、兄は政治学者・高坂正堯(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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むとうさん
2
経済活動に携わる者として戦争がないに越したことはないが、有事の際の対応がなければ経済活動自体がままならない。序盤のこのあたりは正に「経済人から見た」内容。中盤からは、憲法問題の調査委員会委員長をやっていた立場からの憲法論。ここがちょっとクセモノ。「経済人」の視点がほとんど生きていない、ただの憲法問題解説書になっている。ここを読むくらいなら、相対する立場の憲法学者が書いた平易な書を2冊程度読んだ方がいいのではないか。2011/03/06
saueno
0
商売人は戦争なんて望んじゃいない。平和あってこその商売。とはいいますが、武器商人という方々もおりますなー2009/03/12