内容説明
裁判員制度の導入により、一般市民にも裁判の知識が必要になった。しかし、そもそも裁判員制度は憲法違反であると著者は言う。憲法が規定する「法律に基づく裁判の原則」が守られず、基準なき裁判となるからだ。このように、裁判を正しくとらえるには、憲法のような原理原則から、着実な理解を積み上げることが求められる。本書は「裁判の意味」「裁判官の独立」「上告と控訴の違い」といった基礎知識から、「蛇足判決」など現代司法の矛盾点まで、知っておきたい事柄を網羅。元判事が親しみやすい語り口で解説。
目次
第1章 そもそも裁判とは何か?
第2章 司法権の位置づけ
第3章 裁判権の基礎
第4章 裁判所とはどのような組織なのか
第5章 裁判の手続
第6章 裁判員制度
著者等紹介
井上薫[イノウエカオル]
昭和29年東京都生まれ。東京大学理学部化学科卒、同修士課程修了。民間の研究所に就職後、独学で司法試験に挑戦し合格。昭和61年判事補、平成8年判事任官。司法行政の裁判干渉に抵抗し、裁判官の独立を守り抜いたことで知られる。平成18年判事退官。平成19年弁護士登録(東京弁護士会所属)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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