内容説明
私たちは有象無象の情報(インフォメーション)に振りまわされて失敗することが少なくない。なぜなら人は自分に都合のよい話を重視したり、経験が邪魔して誤った先入観に縛られやすいからだ。「一見が百聞に如かないこともある」「すべてに原因があるとはかぎらない」「結果を見て『自分は予測していた』と思いたがる」―本書は日常生活に潜む落とし穴と、そこに陥らないヒントを、情報分析(インテリジェンス)のプロが導き出す。正しいメソッドと優れた直観を働かせ、仕事や人間関係で得するための判断力養成ハンドブック。
目次
第1章 問題解決のための基礎知識
第2章 過去を解明する、未来を予測する
第3章 知識と経験・五つの落とし穴
第4章 正しい情報分析の技術
第5章 ケーススタディで見る競合仮説分析
終章 正しい判断をするために
著者等紹介
北岡元[キタオカハジメ]
1956年東京都生まれ。東京大学法学部卒業、オックスフォード大学文学修士(国際関係論専攻)取得。外務省に入省後、イギリス、バングラデシュ、ニューヨーク、フィンランドの大使館、総領事館で書記官、領事、参事官を務め、国際情報局国際情報課長に就任。その後、世界平和研究所主任研究員、内閣情報調査室衛星情報センター総務課長、国立情報学研究所教授を経て、政策研究大学院大学教授。日本のインテリジェンス研究の先駆けである(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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犬こ
15
判断、行動のために必要となる知識がインテリジェンス。本の中の事例は、国家戦略レベルの例をとりあげた難解な内容でしたが、仮説と仮説を競わせる競合仮説分析は、興味深かったです。分析の世界は幅広くて、どれだけの手法があるんだろう・・・。2015/01/29
ほじゅどー
8
★★★インフォメーションはあくまでもインテリジェンスを生み出す材料に過ぎない。インテリジェンス分析には直感・才能に基づく演繹法(ハリネズミ)を用いるアートとしての分析と、メソッド重視の帰納法(狐)によるサイエンスとしての分析の両方が必要。サイエンス面を強調しすぎると人は機械的作業のみに従事しイマジネーションや直感をまったく働かせなくなる。一方、アートで現実とかけ離れた絵を描いてしまう。ベテランはヒューリスティックスの罠に嵌りやすい。ベイズの定理は事前確率を想定し、新たな情報で確率を修正していくもの。2018/08/08
ふろんた2.0
5
先入観が如何に情報を支配してしまうかがわかる。文章自体は難しくないが、じっくり読みこまないと理解できない。実践するにはまだまだ程遠い。2012/08/30
ジュール
4
分析は科学とアートの両方が必要。 ベイズの定理、競合仮説分析等、目からうろこが落ちる。 良書。2017/08/04
まつを
3
インテリジェンスとは、情報を不確定な問題に対する「判断」や「行動」に役立てる作業である…と述べている。予測に対する仮説実現性を、「ベイズの定理」とベースレートの誤審を結びつけて説明した内容は、分析の注意点として簡潔で分かりやすかった。また、分析でまずいのは情報不足より不正確で不十分な分析である…と言う点も、人間が持つ「ヒューリスティックス」が分析結果に与える悪影響を説明しながら、仮説は新しい情報とともに見直しが必要であり、その対処法として「競合仮説分析」を紹介している。2015/08/29
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