PHP新書<br> 自由をいかに守るか―ハイエクを読み直す

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自由をいかに守るか―ハイエクを読み直す

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  • サイズ 新書判/ページ数 345p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569696652
  • NDC分類 331.72
  • Cコード C0230

内容説明

ハイエクの謦咳に接した著者が、その主著『隷従への道』全一五章を丹念に読み解く。一九四四年発刊のこの書物は、すでにベルリンの壁崩壊という歴史的大転換の要石となる思想を提供していた。だが日本ではその意義がまだ十分に理解されずにいる。いまこそハイエクを読み直すべきである。「自由主義こそが経済繁栄を生む」「自由は民主を凌駕する」「統制と保護は発展を阻害する」「権力者は未来を見通せない」「福祉国家という罠」―経済が統制されることは、自由そのものが奪われることに等しかった。

目次

『隷従への道』の読み方
自由主義こそが経済繁栄を生む―「第一章・見捨てられた道The Abandoned Road」
「自由」は「民主」を凌駕する―「第二章・偉大なるユートピアThe Great Utopia」
「競争」と「規制」の中庸は難しい―「第三章・個人主義と集産主義Individualism and Collectivism」
「統制」と「保護」は発展を阻害する―「第四章・計画の「不可避性」The “Inevitability” of Planning」
「権力者」は未来を見通せない―「第五章・計画と民主主義Planning and Democracy」
「法」の確立が強い経済を生む―「第六章・計画と「法の支配」Planning and the Rule of Law」
「お金」の自由こそが幸福の源―「第七章・経済統制と全体主義Economic Control and Totalitarianism」
「私有財産」の肯定が活力をつくる―「第八章・誰が、誰を?Who,Whom?」
保障が特権になる危険―「第九章・保障と自由Security and Freedom」〔ほか〕

著者等紹介

渡部昇一[ワタナベショウイチ]
1930年山形県生まれ。上智大学大学院修士課程修了。ドイツ、イギリスに留学後、母校で教鞭をとるかたわら、アメリカ各地で講義。上智大学教授を経て、上智大学名誉教授。Dr.phil.(1958)、Dr.phil.h.c.(1994)。専門の英語学だけでなく、歴史、哲学、人生論など、執筆ジャンルは幅広い。1976年第24回日本エッセイストクラブ賞、1985年第1回正論大賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シュラフ

19
第二次世界大戦後、ソ連を中心とする社会主義陣営と米欧を中心とする自由主義陣営。世界は東西陣営に分かれる。社会主義陣営のマルクス主義により理論武装されたイデオロギーに対して、自由主義陣営のイデオロギーの核となったのがハイエクである。ハイエクによれば、社会主義者らの思想は理性を最上のものとしてスタートするが、無理を通そうとすることで理性そのものが破壊されてしまうという。結果はソ連の崩壊ということでハイエクは日本でも注目されることになった。社会正義の実現というものを考察する上での示唆を与えてくれる。2015/06/20

takam

13
現代の文明社会を哲人政治により導きけるものではないほど複雑化している。複雑な経済と広大な領土を中央集権的に管理しようとすると、それを制御するために強大な権力が必要になる。ナチズムやマルキシズムは共通な結果をもたらした結果が、ハイエクの主張した論理によって生み出された。翻って今の日本も官僚たちが強大な権力を持っている。昔ほどではないが、財務省や経産省は産業や国民に大きな影響を与えている。今の日本の生活保障費の多さは、日本の官僚の強さを示しており、ハイエクが憂えた国家の姿と重なりあっている気がする。2019/11/04

Tomohiro_Y

7
ロジカルシンキングで良い社会を追い求めすぎると、人間がケアできる範囲外でヒズミが生じて、みんなの平等な幸せを追い求めていたのに、気付いたころには少数の特権主義がはびこり、みんなガチガチの不自由な不幸せになるから、禁止事項と機会の平等だけの緩い社会を目指しましょう、ってところでしょうか。解説本としても面白いですが、渡部昇一さんの文章としても楽しめます。所々で原文と訳が出ますが英語が高尚すぎてさっぱり分からない。原文(訳)読むには解釈のテクニックが必要と思いました。2018/07/24

かず

6
氏の著作は幾つか読んでいるが、いずれも「氏の主観が鼻につきすぎる」と私は感じる。全体的に素人にも読みやすい内容だったので、これだけが残念だ。共感した箇所は幾つもあり、例えば、「個々の蜂は利己的に行動しているが、巣全体としては調和が取れている」とか、「失敗した人にある程度の保障は必要だが、決して、成功者を妬んではいけない」とか「社会主義はモラルハザードを引き起こす」など。私自身は、自由であることは大切だが、その前提にはモラルが必要不可欠だと思う。次は「ケインズとハイエク」を読みたい。2014/08/04

ぽん教授(非実在系)

5
名著『隷属への道』の解説本である。これ一冊でもなかなかにボリュームがある一方で、新しい事例や日本の例を著者があげてくれるので助かる。  概略を掴んだと思うので何れ本体に挑戦したい。2013/05/04

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