内容説明
日本の歴史において特徴的な出来事を漢詩に結晶させた頼山陽の『日本楽府』。日本人に誇りと自尊心を与えたその歴史観は、明治維新の原動力となったのである。鎌倉幕府の成立、承久の乱、元寇、南北朝時代を経て、まもなく戦国の世を迎えようとするまでの激動の中世とは、いかなる時代だったのか。
目次
源頼朝挙兵の舞台裏
「富士川の戦い」の意外な勝因
旭日将軍・木曾義仲の運命
源義経失脚の原因
頼朝と義経―宿命の対決
名参謀・大江広元
静御前の悲しい運命
尼将軍・北條政子
『吾妻鏡』が語る覇権争い
承久の乱の悲惨な結末
『貞永式目』を実践した執権の母
蒙古軍に勝てた本当の理由
楠木正成の戦い方
「建武の中興」失敗の原因
『太平記』の世界
「建武の中興」に見切りをつけた名補佐役
護良親王暗殺の真因
赤松円心の翻意
尊氏と義貞―宿命の対決
南朝痛恨の失策
足利兄弟の骨肉の争い
天下の六分の一を制した山名一族
鎌倉公方を諌めた名管領・上杉憲実
著者等紹介
渡部昇一[ワタナベショウイチ]
昭和5年、山形県生まれ。上智大学大学院修士課程修了。ドイツ、イギリスに留学後、母校で教鞭をとる。そのかたわらアメリカ各地でも講義。上智大学教授を経て、上智大学名誉教授。専門の英語学だけでなく、歴史、哲学、人生論など、執筆ジャンルは幅広い。Dr.phil.(1958)、Dr.phil.h.c(1994)。昭和51年、第24回日本エッセイストクラブ賞。昭和60年、第1回正論大賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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