出版社内容情報
内田麟太郎の「おかあさん絵本」最新作!
ナンセンスの名手・内田麟太郎が描くもうひとつの世界。著者が書かずにはいられなかった母への切なる想いが美しく広がる……。
おかあさんを、ずっとまっているんだ。内田麟太郎が描く、母への切なる想いが、美しく広がる……。
▼まだ ことばを すこししか しらなかったころ。/ばくは ラジオから ながれてくる ことばに、ふと みみを かたむけた。/うみのはは。/(そうか。かあさんは うみに……)/ぼくは 水平線 みつめた。/かあさんが、なみの うえを すべってくるようで。しろいきものの 女神さまのような すがたで。/まちつづけた。ずっと。水平線を みつづけながら。/ときどき、そっと よびかけて。/かあさん。/ゆうひが しずんでいく。それでも……。ぼくは まちつづけた。/ひがしずみ なみの おとだけになった。/ぴちゃ ぴちゃ。ぴちゃ ぴちゃ。/(かあさんは……、こなかった)ぼくは よみちを かえっていった。/それから なん年してからだろう。ぼくは すこし じぶんを わらった。海の母じゃなくて、生みの母だったのだ。/……。
内容説明
かあさんを探して、海に向かった。ただひたすらに、かあさんを待っていたあのときの、ぼく。ナンセンスの名手・内田麟太郎が描く、もうひとつの世界。書かずにはいられなかった母への切なる想いが、美しく広がる…。4~5歳から。
著者等紹介
内田麟太郎[ウチダリンタロウ]
1941年、福岡県大牟田市生まれ。『さかさまライオン』(童心社)で絵本にっぽん賞、『がたごとがたごと』(童心社)で日本絵本賞、『うそつきのつき』(文溪堂)で小学館児童出版文化賞を受賞
味戸ケイコ[アジトケイコ]
1943年、北海道函館市生まれ。第1回サンリオ美術賞、『あのこがみえる』(偕成社)でボローニャ国際児童図書グラフィック賞、『花豆の煮えるまで』(偕成社)で赤い鳥さし絵賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぼりちゃん
かおりんご
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
ヒラP@ehon.gohon
anne@灯れ松明の火
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