出版社内容情報
あなたの回りで不思議な事件が起こった時、見て見ぬふりをしますか？ 全ての謎が解決して浮かび上がる事実が胸を打つ連作ミステリー。
内容説明
日々の暮らしの中で、ふと関わった誰かの悩み。あなたは見てみぬふりをしますか、それとも？アパートの上の階の女性が殺人容疑をかけられたら。尊敬していた先輩が定年後の再雇用を認められなかったら…。一つひとつの事件に隠された意外な真相。そしてすべての謎が解かれた時、いつもそばにいた「あの人」に浮かび上がる、切なくも優しい真実とは！？思わずもう一度読み返したくなる、連作ミステリー。
著者等紹介
沢村凛［サワムラリン］
１９６３年広島県生まれ。鳥取大学農学部卒業。９１年に日本ファンタジーノベル大賞に応募した『リフレイン』が最終候補となり、作家デビュー。９８年、『ヤンのいた島』で第１０回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アイゼナハ@灯れ松明の火
30
沢村凜のミステリは初読み。脇役の脇田刑事で繋がる連作短篇７話。ファンタジー物とはまた違った味があって面白いです。脇田刑事が主役になる最終話は少ぉしファンタジーが入ってますが，そんな事があってもいいのかも知れない。個人的には同じサラリーマンとして身につまされる『人事マン』，老いに対する新たな視点に確かにそうだったらいいと思わずにはいられない『鳥類憧憬』がお気に入りですが，話のオチは『迷った時は』が一番かしらね（笑）人生を豊かにする三つのルール，自分も実践してみようかしらん。2013/05/27
dr2006
28
背景や仕掛けの回収がユニークな連作短編ミステリー。誰を「脇役」としているのかはネタバレになるので控えるが、ハードボイルドとか本格ミステリーじゃないネタを題材にしている点が特に好き（笑）。だからと言って中途半端ではなく（作中２篇が推理作家協会賞ノミネ）取材や着眼点が科学的だと思うし、起承転結も滑らかだ。文庫化にあたっての最終章が追加されたが、脇役が主役になるという大技！非タイトル的だが決して蛇足ではなく一冊の本としての付加価値を上げている。くすぐったいようなニッチなミステリーが読みたい時におすすめだ。2015/07/29
金平糖
17
題名は脇田の事を意味しているのだろうとは思っていたが、既読だった第六話までが繋がるとは思いもよらず、驚いた。語り手が一人ではないので、それぞれの作品が独立要素が高く、テイストも違ってバリエーション豊富で楽しめた。2014/07/18
赤い肉球
15
初読み作家さん。連作短編。ストーリーには関係のない専門用語の説明が長い作品があって、中弛みしてしまいましたぁ(>_<)。なるほど～と頷けるお話があったけど、ムリな展開があるお話もあったりで、好みが分かれちゃいましたね。最終話、どうやって話を締め括るんだろう、って期待してたけど、こういうエンディングもありかな。一作で解決するので、読む時間が少ない時にも読み始められます♪2014/06/29
ヤスヒ
13
脇役に焦点を当てた連作ミステリー短編集。面白かった。ただ、脇役って誰？って考えると最終話で浮かび上がったあの人が「脇役」だったのだろうか？少しこんがらがってしまうので脇役とか主役とか考えずに読んだ方がいいのかもしれない。各話ともインパクトはないがバラエティに富んでいてそれでいて何故だかしっくりとくるストーリー。ただ個人的には最終話だけはもうちょっと違う形で・・・という気もした。2017/03/08
