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出版社内容情報
クトゥルフ神話の始祖、ラヴクラフトを美少女化! 「ラヴ」と名乗った少女は、ある事情により「愛情」に関わる言語を失っていた……!
内容説明
何かとあれば正気を失ってしまう身心惰弱な少年カンナは、片思い中の女性の顔面に突如として開いた穴に吸い込まれ、異世界スウシャイへと迷い込む。そこで出会ったラヴと名乗る少女に救われたカンナは、少女が呪いによって「愛」に関する言葉を奪われていることを知る。取り戻すにはカンナの世界へと赴き、“もう一人の自分”の創作活動を止め、スウシャイを歪みから解放しなくてはならない。そんな目的を持つラヴとともにカンナは旅立つが、二人を待っていたのは人面鼠、蟹、しゃべる脳、毒の言葉を持つ魔女などとの禍々しき出会いだった。クトゥルフ神話の祖・怪奇小説作家ラヴクラフトを美少女化!名状しがたき暗黒冒険ファンタジー。
著者等紹介
黒史郎[クロシロウ]
第1回『幽』怪談文学賞・長編部門大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
83
某妖怪小説ではクトゥルフを頭に乗せていた黒史郎さんが「心暖まる爽快な冒険ファンタジーを書きたい」という思いで書かれた美少女ラヴクラフトが活躍するクトゥルフファンタジー。表紙の秀逸さもさることながら内容に至っては、ボーイミーツガールな物語にニヤリとする様な暗黒神話を嵌め込み、それを心身惰弱少年カンナを主人公としたジュブナイルに仕上げた、ワクワクする程楽しい冒険小説でした。最後には未完少女という意味も解り、新たな冒険の予感に期待を持たせてくれます。続きが楽しみです。2017/02/26
geshi
32
ラヴクラフト御大を美少女化してクトゥルフ神話そのままの狂気の世界に当時させるなんて大胆だよなぁ。作者の確かなクトゥルフ愛と知識にガッツリ根差しながらも、ボーイ・ミーツ・ガールのラノベ展開と冒険成長譚を爽やかにやってのけるバランス感覚が面白い。当然ラヴクラフト作品を全部読んでいる前提ではあるが、クトゥルフ神話らしい文章や多くの注釈など拾えるネタはとんでもない量。後半飛ばしすぎに感じる所もあるが異世界ファンタジーもののとして全うにエンターテイメントしてる。2017/08/22
澤水月
21
表紙だけで狂気の哄笑!書店でいあいあしながらレジに。詳細な脚注も鬱陶しくなく、クトゥルフ神話だけでなく指輪物語その他のファンタジーや幻想小説、難語について判るので全くクトゥルフ者でなくとも大丈夫(かく言う私も実は本人以外の神話には親しんでない)。邪神でなく作家本人を女体化とは恐れ入る。本/活字がないと生きていけない全ての人にお薦め。「言葉は恐ろしいもの」という概念はバロウズ的でもあり著者の博覧強記に感心。私は実話怪談畑でしか著者に触れてないので他作読んでみよう。表紙、持ち歩いてると掠れてくる紙質までパロ?2013/04/11
sputnik|jiu
21
HPLを美少女化したほんわかラブコメと思わせておいて、「アーカム計画」とかあの辺の系譜に連なる賑々しいクトゥルフ小説(たしかに考えてみれば、作者と表紙が本気すぎる)。よりによってブラウン・ジェンキンとミ・ゴに愛着を覚えることになるとは思わなかったけれど、さすが本業!と思わせる暗黒スプラッター描写とか緻密な伏線回収とか、最後のご都合主義っぽい大団円とか、実に真っ当で、おもしろいライトノベルだった。ラノベってのは表現手段の一つであって、別に文学の劣化版じゃないんだよ、と声を大にして言いたくなる小説。2013/01/26
りー
17
ラヴクラフトを知っている人間ならば、この表紙は素通りできまい。内容はいわゆる王道ファンタジーなのだけれど、これでもかとラヴクラフト要素が詰め込まれていて、また各固有名詞には注釈もついているのでラヴクラフト初心者にも大変易しい。ラヴクラフトが美少女なのも決して萌え要素ではない歴とした理由があって、ラノベをシュグランのごとく忌避する方々であっても読める代物になっている。ただし、ラヴクラフトに興味がない人には一切オススメしない。2013/04/10
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