出版社内容情報
舞台は江戸。この世に思いを残して死んだ人の姿が見える「不思議な能力」を持つ少女おいちの、悩みと成長を描いたエンターテイメント。
【著者紹介】
作家
内容説明
おいちは十六歳。江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父の仕事を手伝っている。おいちが他の娘と違うのは、この世に思いを残して死んだ人の姿が見えること。そんなおいちの夢に、必死で助けを求める女が現れる。悩みながらも己の力で人生を切り拓き、医者を目指す娘が、自分に宿った不思議な力を生かし、複雑にからみ合う因縁の糸を解きほぐしていく、青春「時代」ミステリー。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年(昭和29年)、岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。小学校の臨時教師を経て、作家デビュー。『バッテリー』(角川文庫)で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー1~4』で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
114
「時代物は苦手だけど、あさのさんの時代物は好きです。」という読友さんがお薦めしてくれたシリーズです。主人公は、深川の長屋で医者である父の仕事を手伝っている16歳。純真無垢な少女ですが、この世に思いを残して死んだ人の姿が見えるんです。そんなおいちの周りで起こる出来事を、ミステリー仕立てで謎解きしてくれます。おいちが自分の行く末に悩みながらも成長していく青春小説のような甘酸っぱさも味わえます。おいちの父と叔母の人情溢れる思いやりに、読んでいて心がほっとしたり、ニンマリしたり。いろんな楽しさが詰まった小説です。2022/05/29
優希
108
面白かったです。不思議な能力を持った16歳の少女・おいちが魅力的でした。真っ直ぐで純粋で強気な少女。自分の能力を生かしながら、複雑に絡む因縁の糸をほぐしていきます。死んだ人たちを救おうと一生懸命なのが可愛いと思いました。おいちの信念に心があたたかくなります。物語は凄惨な色も伺えますが、全体的に優しくて切ない雰囲気なのがよかったです。2015/09/26
ままこ
103
シリーズ1作目。人には見えないものが見える不思議な力を持つおいち。医師である父の手伝いしながらこの能力を生かしたいと考えていた。途中まで読んで再読だと気づいたけど内容をほとんど忘れてるからまた不思議な謎解きを楽しめた。自分にしか聞こえない助けを求める声。後悔、哀しみ、苦しみから解放することが出来るのか…。意外な真相。為すべきことを精一杯為す。切なく温かいおいちの成長物語。2019/03/30
ゆみきーにゃ
95
シリーズ一作目。一度途中で挫折し、大分経ったので再挑戦!面白い。叔母さんとお父さんのやり取りがとにかく可笑しい。おいちの成長を見ていきたいので続きも読みます。2021/07/03
がらくたどん
79
先日読んだお江戸のカリスマ・ヒーラーお梅ちゃんになんと仙五郎親分が。で、「剃刀の仙」こと仙五郎親分管内のもう一人の不思議少女「おいち」ちゃんを思い出す。これは既に5巻まで話の進んだシリーズの最初の1冊。おいち16番茶も出端、清貧腕利き医者の父の背を追って誰かを助けられる医師を目指す。ハタチも半ばで大年増・還暦となればもはや老婆の女の一生。案じる肝っ玉叔母さんを横目に自分の「死者の姿が見える」不思議な力を受け入れて病んだ心と身体のを看たて癒そうと頑張る姿が胸を打つ。普段の甘味大好き少女の描写がすごく青春♪2023/01/27
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