出版社内容情報
日常生活のなかでこみ上げる「殺意」のあれこれを描く、実力派作家の注目作。人の心の闇という秘境に分け入る5篇を収録する。
【著者紹介】
作家
内容説明
母を看病する俺の前に現れた女の啓示(『赤い大きなアメリカ女』)、離婚後、美しき女に溺れる男の魂の彷徨(『月光』)、妻子を殺された男を訪ねた渋沢と名乗る人物の突飛な目的(『畜生』)、リストラされて主夫となった夫の妻への鬱屈(『小岩さんの秘密』)など、日常で芽生える“殺意”と“心の深淵”に迫る短篇集。
著者等紹介
ヒキタクニオ[ヒキタクニオ]
1961年、福岡市生まれ。デビュー作『凶気の桜』(新潮社)につづき『鳶がクルリと』(新潮社)が映画化され話題になる。『遠くて浅い海』(文藝春秋)で「第8回大藪春彦賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マサキ@灯れ松明の火
9
短編集です。。人の心の中に巣くう「殺意(狂気)」の話…普通に暮らす人々に突如として現れるもの…「殺意」の赴くままに「殺人」を犯すか?「理性」によって、「殺意」を抑え込めるか…「人」として生きれるか?「獣」となるか?……別れ道、どちらを選ぶもアナタ次第……2011/12/20
ひねもすのたり
4
殺意をテーマにした短編集ですが、本格的心理サスペンス風から癒し系、果てはユーモア系まで、さまざまな味付けがされていて飽きさせません。 アウトローの匂いがぷんぷんするヒキタ作品ですが、もう少し多くの人に読まれてもいいのではないかと感じています。2012/09/19
RIELLEGARDEN
3
人を殺す瞬間に至るまでにはいろんな引き金があるんだなと思った。5篇の物語それぞれにその引き金があった。人を殺したいと意識的に思うことはないけれど(居なくなればいいなと思う事はあるが)そんな引き金が自分の人生の中に現れないように願う。 ちょっと怖いお話だった。2015/03/31
lunarFarside
3
自分は人を殺したりなんてしない。殺人を犯すものは特別だ。殺意とその実行の間には乗り越え難い高い壁がある筈だ。ある種善良さから生まれる思い違いを誰しもがしているのではないか。そういうところに切り込んでいく話を期待していたが、その点ではやや違ったかなという感じ。確かに殺意がテーマではあるが、どこかユーモラスでどちらかと言うとコメディっぽい。その中で「赤い大きなアメリカ人」と「小岩さんの秘密」はヒヤッとさせられる緊張感があって良かった。2012/01/25
ワンモアニードユー
1
序文でグッと引き込まれましたが、内容的にはSF混じりの世にも奇妙な物語レベルの短編集。平山夢明の毒々しさにはおよばず、肩すかし気味の作品。凶気の桜や消し屋シリーズとは格が違うかなと。普通の本でした。2015/08/02
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