内容説明
織田信長の後継者となるべく、羽柴秀吉が柴田勝家に挑んだ「賤ヶ岳の戦い」。この一戦で秀吉の七人の旗本が戦場を駆け巡り、功名をあげた。加藤清正、福島正則、加藤嘉明、片桐且元、脇坂安治、平野長泰、糟屋武則―世にいう「賤ヶ岳七本槍」である。しかし天下人・秀吉が没し、七人の運命は大きく分かれていく。豊臣から徳川の時代へ。武名を謳われた彼らの人生を描いた連作短篇集。
著者等紹介
嶋津義忠[シマズヨシタダ]
1936年、大阪生まれ。1959年、京都大学文学部卒業、産経新聞入社。化学会社代表取締役社長を経て、作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アイゼナハ@灯れ松明の火
31
ご存知…といっても、加藤清正、福島正則以外はあまり著名ではない、賤ヶ岳の合戦で功を挙げた秀吉の荒小姓、七本槍の面々の事績を綴った連作短編集。銘々を主役にした短篇を、朝鮮の役のあたりから、秀吉の死、関ケ原の合戦、大阪落城を経て徳川の世に至るまでの時系列で並べて描く構成の妙が非常に面白かった。まさに秀吉子飼いの武将であったはずの彼ら。どんな思いでそれぞれの道を選び、徳川の天下に歩み入っていったのか…終章が中々に味わい深いです。あとは平野長泰の逸話は知らなかったので、大変興味深かったです。仕方ないよねぇ。2011/06/15
巨峰
20
賤ヶ岳の七本槍のその後を描く。彼らは思うに若くして、著名になりすぎたんだと思う。2011/09/12
秋乃みかく
6
★★★☆☆ 戦国鍋TVで7人の名前は覚えたけど、福島正則と加藤清正以外の人物はあまり詳しく知らなかったので勉強のために読んでみた。でも賤ヶ岳で7人がどんな活躍をしたのかはやっぱり謎だった(笑)2016/12/15
rei
5
今様に言うなれば「豊臣チルドレン」の話だ。ちょっと変わった目線で戦国を読もうかと軽く手にとったのだが、その最初の期待よりもなんか、なんというか・・・良かった。確かに派手さはない。だって彼らが一番輝いた豊臣時代は既に過去。でも七人が丁寧に描かれ、彼らの人生の根底に確かにある豊臣への思い、敵の立場になったかつての仲間への思い、今、これからの時代への思いが伝わってくる。子供時代の彼らの仲良し加減や秀吉の大きさまでもが、ちょっとした描写や逸話でしっかり感じられた。ついでの佐吉もなんか、活きてるしw2012/11/13
ゆうへい
3
メインの五人以外は、知らなかったです。特に、平野長泰と糟屋武則は知らなかったです。内容は、賤ヶ岳七本槍の行く末が描かれています。その七人それぞれの短編集になります。