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PHP文芸文庫
湖のほとりで

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  • サイズ 文庫判/ページ数 517p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569676180
  • NDC分類 949.63
  • Cコード C0197

内容説明

風光明媚な、北欧の小さな村で発見された美しい女性の死体。その女性は、村の誰もが知る聡明で快活な少女・アニーだった。死体には争った形跡もなく、自殺か、あるいは顔見知りの犯行ではないかと推測された。事件は、早期に解決すると思われたのだが…。正統派の捜査小説にして、イタリア・アカデミー(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ)賞史上最多の10部門を独占した映画の原作。

著者等紹介

フォッスム,カリン[フォッスム,カリン][Fossum,Karin]
1954年、ノルウェー生まれの作家。ノルウェー人なら誰もが知っている“犯罪小説の女王”。『湖のほとりで』で、北欧の優秀な犯罪小説に贈られる「ガラスの鍵」賞(Glass Key Award)を受賞、ヨーロッパほか世界16カ国以上で翻訳・出版され、各国でベストセラーとなる

成川裕子[ナリカワヒロコ]
1951年、沖縄に生まれる。1975年、香川大学経済学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふう

68
ノルウェーのミステリー小説。一度だけ訪れたことのあるフィヨルドや湖などの美しい風景を思い浮かべながら読みました。若い女性の謎に包まれた死。事件の捜査を進めるうちに、女性の家族にも周りの人々にも複雑な事情や秘密が隠されていたことがわかってきます。介護、DV、離婚、レイプ、障害を持つ子供…。豊かな福祉国家でもこんな苦悩があるのかと意外でしたが、ベテラン警部と若い刑事が語る心情や、人権を尊重する操作の方法が、誠実で丁寧で、成熟した社会だなと好感がもてました。ただ、最後の1行はどうとらえればいいのか悩むところです2014/08/18

キムチ

50
お気に入りのレビューに惹かれ読んだ一作。思う以上の文と内容の質の高さに大満足。ミレニアムに引き続き、北欧作品の持つ、心理の襞を描く技巧の高さ、背景に広がる「人の心をも映し出すような」情景の味わい、フアンになりそう。サスペンス展開からすると、謎を解く刑事コンビはいかにもゆったり、危機感がなさすぎる・・だが、事件の背後から浮かび上がってくる4つの家族が持つ辛い事実を解き明かしていくテクニックはその人々の深奥を見つめるまなざしの優しさを感じさせる。北欧は福祉先進国、それでも個々の人生の襞に潜む悲しい事実もある。2015/11/26

Betty

38
舞台はノルウェー。ブレのない主人公。(地味だけど味があり、やもめである)街から離れた湖のほとりで見つかった女子高生。周囲の人たちは誰もが明るく健康的な女の子だったと証言する。関係者との対話が主な地道な捜査で見えてくる出来事。主人公の人柄と相棒の掛け合いも味があります。派手さはありませんが読み終えるのが淋しくなる程この世界に浸り次作を探しました。あとがきでは読中、頭に流れる音楽は「ノルウェーの森」と記載がありましたが私は「ツイン・ピークス」がリプレイしましたよ2017/03/11

RIN

38
『ミレニアム』→『靄の旋律』ときてすっかり北欧ミステリの虜になっていたところに読友さんにおススメされた第一弾。北欧ミステリの魅力は「ミステリ」が社会派小説の代名詞になっているところだという評論を読んだことがあるが、これもまさにそんな感じ。誰もが顔見知りの田舎町で起きた殺人事件をきっかけに、そこに暮らす人々の「扉の内側」の悲劇や苦悩も炙り出されてくる。北欧ミステリらしい静寂と厳しい社会環境を背景に淡々とした物語がもの悲しさと切なさとともに胸に迫る秀作。キムチ27さんおススメ下さってありがとう!!2016/04/01

がいむ

34
ノルウェーの警察小説。とてもよかった。派手な展開は何もなく、地道な捜査活動が主なので好みは分かれるかもしれないけど、セーヘル警部の人間性が徐々にわかってきて、いっしょになって謎に向かう感じがする。相棒の若い警官とのコンビもいいな。前半は犯人を、後半は動機をなぞ解き。会話が多く、じっくり問いかけるやり取りで、登場人物の人間性もだんだん輪郭を持ってくる。ひとつの事件が小さな村で様々な波紋を起こし、隠してきた過去、忘れようとしてきた事件も暴かれてしまう哀しさ。ラストは明るさもありつつ、不安を残す。2014/07/16

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