内容説明
謎解きだけを専門に扱う探偵事務所に持ち込まれた六つの事件を、探偵・古谷が鮮やかに解決!メールのやりとりから夫の浮気をあぶり出す「卵消失事件」、三つの和歌からお宝を掘り当てる「兎の暗号」、差出人不明の手紙から父の居場所を見つけ出す「別荘写真事件」など、『イニシエーション・ラブ』『リピート』で大反響を巻き起こし、練達の愛好家を唸らせつづける著者の連作短篇集、待望の文庫化。
著者等紹介
乾くるみ[イヌイクルミ]
1963年生まれ。静岡県出身。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
190
6作とも、人が亡くなる話ではないので、コージーミステリに分類されるのでしょう。それにしても、連作ミステリとは、実に手の込んだトリックを仕掛けてくるものだ。本作もそう。「事件簿1」というタイトルすら、実は……ではないか、と疑わせるのに充分だ。なるほどねえ。こんなにさりげなく仕掛けられたら、お見事! と拍手するしかないですねえ。それにしてもずるいや!2016/07/11
紅はこべ
129
カバーイラストの画家は語り手兼ワトソンの井上を描くのに苦労したろうな。古谷がちょっとイケメンすぎないか?ありがちなトリックなんだけど、『イニシエーション・ラブ』の作家らしいと言えば言える。暗号ものが多かった。「別荘写真事件」で身元不明の焼死体の謎が残ったのが気になった。2016/09/21
takaC
118
おっと。「よっちん」とか「葉子」とかって単語の記述があったことはすっかり忘れてたよ。File20も「古チン」も覚えていたのに。あれ?まさかまた既に壮大な仕掛けに陥れられていたりするのか?2012/10/30
あっくん
85
謎解き専門のカラット探偵事務所のお話。本格ミステリーではなく、ライトミステリーの短編集です。続きが気になるので、続けて第二巻を読みます。2016/11/12
yanae
79
前々から積んでたシリーズ。想像してたよりとても面白かったです。カラット探偵事務所の所長古谷と元同級生の助手井上が鮮やかに謎解きをしていくもの。探偵事務所はかつかつのイメージあるけど、古谷が資産家のためガツガツせず、気に入った謎解きの仕事のみ請け負う。が、実力があるため次第に仕事が定期的にはいるように…。個人的には最初の事件がすごかった!メール見ても全然気づかず、謎解きを聞いてからページ戻って驚き(笑)すごーい!何の心配もなく楽しく読めた一冊でした。2も読んでみます♥️2018/02/02