PHP文庫
草枕

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  • サイズ 文庫判/ページ数 347p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784569672588
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

絵画的感覚美を表現した、漱石初期の代表作。

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。」……絵画的感覚美の世界を表現した漱石初期の名作を、読みやすい解説・鑑賞付きで刊行!

「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」――このあまりに有名な書き出しから始まる小説『草枕』は、絵画のような感覚美を追求した、漱石初期の代表作。

▼主人公の青年画家は、都会の喧騒から逃れるようにぶらりと一人旅をし、熊本の温泉場へ行き着く。そこで出会った女・那美は美しいが、画にするには何かが足りなかった……。画家はこの地で、彼女をただひたすらに観察することにする。恋でもない、友情でもない、二人の不思議な関係が、美しい文章でつづられていく。

▼本作は、「美を生命とする俳句的小説」「美しい感じが読者の頭に残りさえすればよい」と漱石自身が語る芸術作品。漱石自身の芸術観が盛り込まれた小説が、現代的表記と大きな字、豊富な註記でわかりやすく楽しめる。詩歌の解釈に便利な韻文解説付き。

▼解説:長尾 剛、鑑賞:森本哲郎、PHP文庫オリジナル編集。

●草枕 
●『草枕』韻文解説 
●解説 ――『草枕』にみる漱石 ……長尾剛 
●鑑賞 ――『草枕』を読む 漱石と蕪村 ……森本哲郎 
●夏目漱石・略年譜

内容説明

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」―このあまりに有名な書き出しから始まる小説『草枕』は、絵画のような感覚美を追求した、漱石初期の代表作。「美を生命とする俳句的小説」と漱石自身が語る名作を、現代的表記と大きな字、豊富な註記でわかりやすく楽しめる一冊。

著者等紹介

夏目漱石[ナツメソウセキ]
小説家・評論家・英文学者。本名:夏目金之助。慶応3(1867)年、東京に生まれる。東京帝国大学卒業後、愛媛県尋常中学校(松山中学校)、熊本の第五高等学校などで英語を教える。明治33(1900)年、英国ロンドンに留学。帰国後、明治36(1903)年から第一高等学校、東京帝国大学英文科講師となる。明治37(1904)年、『吾輩は猫である』を発表。以後、『坊っちゃん』『草枕』『野分』などの中篇小説を発表。明治40(1907)年、教師を辞し、朝日新聞社に入社。『虞美人草』『坑夫』などを連載し、翌明治41(1908)年より、三部作『三四郎』『それから』『門』、後期三部作『彼岸過迄』『行人』『こころ』などを連載する。大正5(1916)年、胃潰瘍の悪化で急逝。執筆中だった『明暗』は未完となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

in medio tutissimus ibis.

2
先に解説を読んでいたので覚悟はしていたし、途中でフリもあったのだが、見事に割とどうでもいい内省と思索に終始。Wikipediaのあらすじが実質十三章だけでできているだけのことはある。とはいえ、芸術論だの漱石のロンドン滞在の苦労がにじみ出てる部分だのはともかく、言葉遣いというかテンポというか、そういう部分でただ読んでいるだけで楽しい文章であるのは確か。筋とか関係なくなんとなく手に取ってて適当な頁から読むのもまた楽しからずや。2017/11/02

遠藤三春

1
一種の美しい感じが私の頭に残りました。それでいい。2011/09/14

みなず

0
三浦しをんのエッセイから、読んでみようと思いたったが、なんだか私には、ちんぷんかんぷん…2012/11/06

ネーブル

0
うん、俺にはちょっと荷が重かった。芸術論はわかるところは面白いのだけど、わからないところはサッパリだし。普通の小説のように最初から最後まで読んだのだけど、この画家さんの言う通り、非人情でのんびりした旅先とかで、指運に任せてパラパラと読むのがいいの本なのかもしれないな。2011/04/14

ありうす

0
 高名なピアニストの愛読書であったと聞き、「なんかカッコいいな。」という不純な動機で購入。ファッションとして読むのが目的であるため、岩波でも新潮でもなくPHP文庫のものを、カヴァーデザインで選ぶ。……さて、この『草枕』という本の読後感を一言で表すと「小説の形をとった禅籍」である。読んでいて、どことなくデジャヴを、『善の研究』に似たものを感じた。一切に対してあくまで傍観者であり続ける姿勢は、或いは「純粋経験」の体現なのかもしれない。2010/05/23

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