出版社内容情報
絵画的感覚美を表現した、漱石初期の代表作。
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。」……絵画的感覚美の世界を表現した漱石初期の名作を、読みやすい解説・鑑賞付きで刊行!
「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」――このあまりに有名な書き出しから始まる小説『草枕』は、絵画のような感覚美を追求した、漱石初期の代表作。
▼主人公の青年画家は、都会の喧騒から逃れるようにぶらりと一人旅をし、熊本の温泉場へ行き着く。そこで出会った女・那美は美しいが、画にするには何かが足りなかった……。画家はこの地で、彼女をただひたすらに観察することにする。恋でもない、友情でもない、二人の不思議な関係が、美しい文章でつづられていく。
▼本作は、「美を生命とする俳句的小説」「美しい感じが読者の頭に残りさえすればよい」と漱石自身が語る芸術作品。漱石自身の芸術観が盛り込まれた小説が、現代的表記と大きな字、豊富な註記でわかりやすく楽しめる。詩歌の解釈に便利な韻文解説付き。
▼解説:長尾 剛、鑑賞:森本哲郎、PHP文庫オリジナル編集。
●草枕
●『草枕』韻文解説
●解説 ――『草枕』にみる漱石 ……長尾剛
●鑑賞 ――『草枕』を読む 漱石と蕪村 ……森本哲郎
●夏目漱石・略年譜
内容説明
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」―このあまりに有名な書き出しから始まる小説『草枕』は、絵画のような感覚美を追求した、漱石初期の代表作。「美を生命とする俳句的小説」と漱石自身が語る名作を、現代的表記と大きな字、豊富な註記でわかりやすく楽しめる一冊。
著者等紹介
夏目漱石[ナツメソウセキ]
小説家・評論家・英文学者。本名:夏目金之助。慶応3(1867)年、東京に生まれる。東京帝国大学卒業後、愛媛県尋常中学校(松山中学校)、熊本の第五高等学校などで英語を教える。明治33(1900)年、英国ロンドンに留学。帰国後、明治36(1903)年から第一高等学校、東京帝国大学英文科講師となる。明治37(1904)年、『吾輩は猫である』を発表。以後、『坊っちゃん』『草枕』『野分』などの中篇小説を発表。明治40(1907)年、教師を辞し、朝日新聞社に入社。『虞美人草』『坑夫』などを連載し、翌明治41(1908)年より、三部作『三四郎』『それから』『門』、後期三部作『彼岸過迄』『行人』『こころ』などを連載する。大正5(1916)年、胃潰瘍の悪化で急逝。執筆中だった『明暗』は未完となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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in medio tutissimus ibis.
遠藤三春
みなず
ネーブル
ありうす