内容説明
国人・土豪が割拠した戦国時代の越後。若くして守護代・長尾家の当主となった為景は、下剋上の流れに乗って越後統一の激闘に身を投じた。志半ばで没した父の意を継いだ謙信は、越後を掌握するだけでなく、関東管領・上杉家を相続して天下を睨む。謙信の後継者となった景勝は、豊臣秀吉に臣従したが、秀吉の死後、敢然と徳川家康に挑んだ…。越後が生んだ名将三代を描いた長編小説。
著者等紹介
嶋津義忠[シマズヨシタダ]
1936年、大阪生まれ。1959年、京都大学文学部卒業、産経新聞入社。化学会社代表取締役社長を経て、作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maito/まいと
1
謙信の父・為景から続く上杉三代を描いた歴史小説。人物像の見えなかった為景の圧倒的な存在感と魅力に引き込まれる反面、三代目の景勝が薄っぺらく見えてしまう。展開も最後は尻つぼみになっていて、かつ紙面分量も兼続に喰われているのがさらに痛い・・・上下巻にしてボリューム増やすとか、三代を見続ける共通人物を出すなど、一環要素がないと世代モノは難しいのがよくわかる(涙)2011/10/02
徳次郎
0
謙信さんはちょっと飲みすぎましたね。 重度の糖尿病による脳梗塞を発症しなければ、ひょっと すると、新潟が首都になっていたかもしれないと思う事 があります。 ただ、新潟港が信濃川を流下する土砂で埋没するので港 が使えなかったからちょっと難しいですね。2021/05/21
ステルスドッグ
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すごく面白かった。 小説ということだったが担猿が出てきたあたりからさらに面白くなって大河ドラマを見ているかのようだった。 全部が全部史実通りというわけではないだろうが、三世代を通して上杉という一族の歩んだ道を辿ることができ、三者三様の思いや戦いが見られて素人目にもその熱気がありありと見えてとにかく熱い小説。特にあまり今まで注目されてこなかった景勝が取り上げられていて個人的には嬉しかった。信長や秀吉、家康らが台頭しより乱世となっていく中での上杉の三世代に渡るそれぞれの生き方に感動した。2024/06/20